なつはづき「髪切って人魚をやめる青水無月」(「現代俳句」6月号)・・
「現代俳句」6月号(現代俳句協会)、本号のメインは「第41回兜太現代俳句新人賞」。選考委員は小林恭二・穂村弘・田中亜美・山本左門・瀬間陽子・赤野四羽・堀田季何・永瀬十悟。今回、令和5年度の新人賞受賞者は楠本奇蹄「触るる眼」。佳作は十川長峻「路上よりの歌」、とみた環「詩と吃音」。以下に2句ずつ挙げておこう。 思惟の手にみづのゆきさき鳥曇 楠本奇蹄 弔ひの手で綾取りの橋渡る 〃 炎昼に旗振る友に茶を渡す 十川長峻 青テントまた燃やされて風生忌 〃 ぶらんこの 子と ・ 空爆の再生数 とみた環 言霊を先に ゆ か せ る ・ 地雷原 〃 巻頭エッセイの「直線曲線」は網野月を「 『はじめての俳句教室』考 」。その他、本誌本号よりいくつかの句を挙げておこう。 風すっとやみてどこかに夏鶯 池田澄子 湾岸を縁取るやうに夜光虫 橋本喜夫 足裏を恥じらうプール開きの日 なつはづき 七つ釦のさくら未だし父の魂 佐怒賀正美 遠花火 当たりの方の明日であれ 岡田美幸 ビリヤニのスパイス辛くクリスマス 村山温子 夕涼や仕掛け絵本のひらく音 中村亜希子 火炎瓶の虹の抵抗 空を切る 林ひとみ ★閑話休題・・日本太極拳法一楽庵・中級審査合格!・・ 愚生も後期高齢者、苦節ウン年、先日、ようやく一楽庵宗家より中級審査を受け合格した。健康のために始めた太極拳だから、のんびり、無理せずにやっているのです。今後も地道に精進したいと思っています。 撮影・中西ひろ美「初夏の街にはまっすぐが似合う」↑