大井恒行「雪花菜(きらず)なれいささか花を葬(おく)りつつ」(「相子智恵の/俳句の窓から」・5月25日「東京新聞」夕刊より)・・
5月25日(土)「東京新聞」夕刊の俳句時評「相子智恵の『俳句の窓から』」で、愚生の新句集『水月伝』を評していただいた。その中に、
70年安保世代の大井恒行が24年ぶりに上梓した『水月伝』(ふらんす堂)もまた、歴史や社会から目をそらさずに、自身の句世界を極めようとする句集である。(中略)
〈頃中(コロナ禍)は戦時に似たり猛々暑〉や〈戦争に注意 白線の内側へ〉は、隙逢あらば日常に入り込もうとしてくる有事を、諧謔に包んで表現する。
こうした批評のまなざしをもちながら、〈雨を掬いて水になりきる手のひらよ〉〈くるぶしを上げて見えざる春を踏む〉〈雪花菜(きらず)なれいささか花を葬(おく)りつつ〉といった句も作る。現実の写生ではたどり着けない、言葉によって築いた美しい情景である。
とあった。愚生にはめずらしく「雪花菜(きらず)なれ・・・」の句には思い出がある。コロナ禍前のこと、白石正人と福田鬼晶が若い人俳人たちとともにやっていた浜町句会?に招かれた折、この句を出句した。そのとき、唯一の1点を入れてくれたのが鳥居真里子だったのだ。相子智恵の評も見事だ。ともあれ、本時評に挙げられたいくつかの句を上げておきたい。
春愁のいとまなき世や詩も細り 中嶋鬼谷
国深く病めりと記せり初日記 〃
まつろはず生きぬ白息太く吐き 〃
除染また移染にしかず冬の旅 大井恒行
原子炉に咲く必ずの夏の花 〃
★閑話休題・・「パギハチヨーエン ジョイントライブ3」(於:国立市 ギャラリービブリオ)・・
昨夕は、国立市駅近くのギャラリービブリオで行われた「パギハチヨーエン ジョイントライブ3」に出かけた。久しぶりで詩人の生野毅にも会えた。
そこで、偶然に趙博のCD「ながらくご無沙汰してるけど」「橋」(withソウル・フラワーユニオン)をゲットした。
趙博 CDとDVD↑
YOーEN(ヨーエン)は本日、27日(月)18時30分開場・19時30分開演で、吉祥寺マンダラ2・2400円+ドリンクで悲恋歌ばかりを歌うそうである。お時間が許す方はお出かけあれ!!
撮影・芽夢野うのき「かつて人は白い素粒子紫陽花も」↑
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