菊田一平「日めくりの赤をめでたく旭日旗」(「唐変木」24号)・・
「唐変木」24号(発行人 菊田一平/編集 大和田アルミ・平野玉壺)、編集後記に菊田一平は、 (前略) 東日本大震災の津波で生家が流され、卒業アルバムはおろか家族の写真もことごとく流されてしまった。写真の喪失は記憶のの喪失に似ている。父の手帳挟まれていた一枚の写真から半世紀前の記憶が静かに湧き上がってきた。▲六月に「童子」主宰の辻桃子さんが亡くななられた。俳句を始めた三十五年前、そのいろはを辻桃子先生に教えていただいた。編集長は三朗と改名する前の三太。〈花林檎いま三太亡く桃子亡く〉。 とあった。ともあれ、本誌より、いくつかの句を以下に挙げておこう。 SALOON BARは女人禁制冬薔薇 大和田アルミ 難民を罪人となす木下闇 副島鶴来 行く春やいしだあゆみが泣いてゐる 平野玉壺 卒園の二人スキップして帰る 大野宥之介 暮れの寄席主任 (トリ) は人気の一之輔 山口素山 カステラのザラメ剥がして昭和の日 大和田信一 雪吊りの雪に影おく昼下り 司ぼたん 敗戦忌米穀通帳箪笥から 大門千春 木蓮やはかるりごとなど明かされて 八束とん坊 春泥にとどのつまりを沈めをり 山内三四郎 沖縄戦より八十年 亀鳴くやチビチリガマの手榴弾 山口蛍太 早春の湖の光を編む小舟 黒田黒珍 ずぶ濡れのままに夕立の中走る ゆう屋。 散骨の海に春雨降り注ぐ 磯山ゆか ひそやかにバルビゾン派の秋浸る 石川一洋 シーサーの二体向き合ひ花の昼 菊田一平 撮影・芽夢野うのき「武蔵野やおとこふたりに春の闇」↑