垂水文弥「晩景に真白き菊のゆきわたる」(KENOBI」Vol.3より)・・
「KENOBI」Vol.3(発行 小川楓子・黒岩徳将・寺沢かの)、論考は黒岩徳将「叙情俳句序説」、その「おわりに」の部分に、 (前略) 私は俳句史における叙情人気の浮沈とその変容には強い関心があるものの、「上場俳句」をどうにも好むことができない。生きているうちに自句他句ともになんとか叙情の対抗馬を出して抵抗したいと思う。ポエジーの核にしたいのは「パワー!肉体!身体性!リズム!非意味!」である。たとえば次のような句を読んでほしい。 泳ぎより歩行に移るその境 山口誓子 ふくろふに真紅の手毬つかれをり 加藤楸邨 プラチナ晴天テレビにくらげの力士たち 大石和子 鮭食う旅へ空の肛門となる夕陽 金子兜太 風を見るきれいな合図ぶらさげて 阿部完市 同じ誓子でも、「こころの帆」と異なり目玉が飛び出るほどの名句である。プールサイドや海をあがるときに両足を地面に付着する感覚から哺乳類に進化する過程を夢想できる。(教科書で見たあの絵だ!)。 (中略) 声に出して全身に音を反響させることにより、(きれいなと言っているにも関わらず!)意味がわからないが見えない「合図」により体が無意識に反応してしまうゾクゾク感。これらはすべて頭でなく体に訴えかけてくる句である。「叙情俳句」と薄味虚子から目を背けて、こういう句を作りたい。 とあった。他の記事に「お悩み解決座談会『叙情、どこへ行く」などがある。ともあれ、以下に本誌より、いくつかの句を挙げておこう。 待合室キャリーへひとすぢに西日 寺沢かの 年中さんのバレエレッスン木の実降る 小川楓子 交尾せるとんぼを過ぎてゆく蜻蛉 黒岩徳将 ★閑話休題・・樋口由紀子さん追悼句会のお知らせ【投句〆切:令和8年3月3日(火)23時】・・ 令和8年2月11日に、川柳作家の樋口由紀子さんが永眠されました。/由紀子さんへの感謝を込めて、追悼句会を行いたいと思います。/ジャンルの垣根を越えて、多くの方のご参加をお待ちしております。 【投句】 未発表句、お一人様3句 投句締め切り:令和8年3月3日(火)23:00 以下のフォームからご投句下さい。 https://ws.formzu.net/dist/ S522456260/ *お名前を変えての二重投句はご...