岸本マチ子「ずーっと異端これからも異端羽抜鶏」(「ペガサス」第19号より)・・
「ペガサス」第19号(代表・羽村美和子)、年三回を順調に刊行してきている。瀬戸優理子「雑考つれづれ/ 細谷源二~生きるための俳句 」は、連載3回目で、さらに続く。その中に、 源二の第三句集『砂金帯』は北海道に渡ってから四年後の昭和二十四年に刊行。「開拓」と「石狩川」の二章から成る全三二二句が収録され、そのほとんどは開拓生活を描いた作品である。 (中略) らんぼうに斧振る息子冬の天 明日伐る木ものをいはざるみな冬木 貧久し薪をぶつさく寒の斧 富とほし薪まつ二つまたまつ二つ 地の涯に倖せありと来しが雪 句集冒頭の五句である。一ページに四句が並ぶので、、五句目の〈地の涯〉はページを捲って見開きの先頭に位置する。巻頭としなかったのが心憎い。風土の匂いを醸す句群を前奏として読むからこそ「地の涯」の語が大仰にならず、「倖せありと来しが雪」に込められた新天地に空想した幸福が覆された虚しさもすんなり腑に落ちる。 とあった。ともあれ、以下に本誌よりくつかの句を挙げておこう。 チェロケースから白鳥の現れる 水口圭子 ため息を春一番が許さない 陸野良美 砂時計今も定位置冬帽子 浅野文子 やくもたつ出雲の空の女郎蜘蛛 東 國人 セイタカアワダチソウ迷惑じゃない生きている 石井恭平 ショパンの部屋に季節外れの雪宿り 石井美髯 伸び縮みするスカートに散る桜 伊藤左知子 如月の暗渠の蓋の上歩く 伊与田すみ 朴訥な雪像999の車掌 Fよしと 冬三日月文楽人形首で泣き きなこ 雛祭り焼き印残る玉子焼き 木下小町 北緯四十三度はるかなる春 坂本眞紅 くくちーくくちー鳥語飛び交い冬木に芽 篠田京子 愛の日の形状記憶なくす襟 瀬戸優理子 わたくしの丹田壊れたまま二月 髙畠葉子 入学のペヤングを荷から出し 田中 薫 風葬を終えし風吹く大花野 中村...