Sin「ヤリたいを分母にするからややこしい」(「What's」Vol,6)・・
「What’s」Vol.6(編集発行人 広瀬ちえみ)、広瀬ちえみ「ツリーハウス」の中に、
◆飯島章友さんの「多行書きの修辞的意図と修辞的効果」は大変な力作です。俳句や短歌の多行書き、五行歌などあることは知っていても、その意図や効果等何も知らなかったことを思い知らされました。圧巻なのは自作の〈あれが鳥それは森茉莉これが霧〉を六行にしてみると、ひらがなと漢字が一行おきに、それに加え「れ」と「り」の押韻まで、一行おきになっていることに、その効果に驚きました。一行では気づかないで通り過ごしてしまうことを多行書きで認識させられました。
とあった。また、詩篇に柳本々々「あたらしいは昔の光」、竹井紫乙「シベリアがあるところ」などがある。ともあれ、本誌本号より、いくつかの句を挙げておきたい。
断らないでください 夜が咽るので Sin
桜くらい見てからいけばいいのにね 佐渡真紀子
跳ぶ前に見ておくとよい預金帳 水本石華
守りきれない空気も水もかなしみも 佐藤みさ子
永遠は熱狂的に炒り卵 妹尾 凛
この辺で背骨抜いてもいいかしら 鈴木節子
「あなあきい伝」読むほどにおれのばか 叶 裕
落ち葉掃きどこでやめればいいんだろう 浮 千草
定位置がずんずんずれて来ましたね 鈴木せつ子
神木の根元に潜む小鬼かな 川村研治
「あけ口」があかないんです春一番 加藤久子
人波はとぎれとぎれにあからさま 兵頭全郎
抜け殻がいちばん輝いているね 竹井紫乙
回転椅子がどうしても反対に回る 中内火星
肉球と地球を間違えて暮らす 月波与生
しわしわがじわじわとせめてくる 鈴木逸志
成長しかできない子らとくらす日々 高橋かづき
ヨコッパラ二ハラッパカラノチクチク 広瀬ちえみ
撮影・芽夢野うのき「痛点や葉桜激しき音のして」↑
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