渡邉弘子「切株の辺に春蘭のうすみどり」(第172回「吾亦紅句会」)・・

 


 本日、4月26日(金)は第172回「吾亦紅句会」(於:立川市高松学習館)だった。兼題は「蜂」と「住」。以下に一人一句を挙げておこう。 


  三鬼忌やトーアロードのボヘミヤン      齋木和俊

  ともしびのロシア民謡春霞          佐藤幸子

  春めいてレモンカラーのコート替え      笠井節子

  特養の母に仏の花見かな           須﨑武尚

  花粉症円空仏の照れ笑い           牟田英子

  行く末を流れに任せ花筏           松谷栄喜

  入学の小さな背中夢大き           関根幸子

  幾重にも濃淡かさね山笑ふ          武田道代

  わが栖(すみか)蒲公英の咲く地球かな    西村文子

  マネキンの吐き出して居る春愁        田村明通

  海沿いの朽ちたる家の八重桜         村上さら

  ふらここや母の背を押す幼き手        奥村和子

  紫雲英田に大の字となり雲を追ふ      吉村自然坊

  まぎれ込む蜂にざわめくツアー客       渡邉弘子

  桜舞う雨に打たれれし何処(いずこ)やら  佐々木賢二

  朝の空住所不定の蜂ブンブン        三枝美恵子

  汽車煙新樹にからむ大井川         折原ミチ子

  郷里(ふるさと)や知る人もなく山笑う    高橋 昭

  逢えずとも尋ねし軒に迎春花        井上千鶴子

  春窓や灯ともし行けるわが棺         大井恒行


 次回は5月24日(金)、兼題は「新樹」。



★閑話休題・・田村明通「買初と言へど胃薬風邪薬」(「立川市高松図書館・俳句ポスト」お題「氷」と自由詠)・・


「図書館俳句ポスト」に、吾亦紅句会のメンバーが3名入選している。その他の方の句を紹介しておいきたい。選者は太田うさぎ・寺澤一雄・渡邊樹音。


   初旅やカバンの隅に常備薬     佐藤幸子

   初氷ぐらっと赤きハイヒール    牟田英子



鈴木純一「日和見や八方美人といわれても春の嵐のどこを吹く風」↑

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