筑紫磐井「阿部定にしぐれはなやぐ昭和かな」(「翻車魚」vol,10 鼯鼠〔ムササビ〕号より)・・
「翻車魚」vol.10 鼯鼠(ムササビ)号(走鳥堂)、招待作品は有澤榠櫨「ゆふぐれの」13句、ここでは、高山れおな「筑紫磐井の百句/承前」の中から、
十句目の鑑賞を終えたところで休止した「筑紫磐井の百句」の先を続けたい。この間、「WEB俳句通信」の一五二号が筑「筑紫磐井の〈新俳句宣言〉にたいして」なるアンケート特集を組んで、はなはだ気乗りしなかったものの、当方も「一番弟子が師匠の宣言をめぐって書いた模範解答、のようなもの」というタイトルで寄稿した。宣言する人もする人だが、編集部も編集部である。もとより俳句作品は、作者の言動から切り離して吟味することが可能である。ただし、一般的に可能というだけで、常に切り離し得るわけではないし、常に切り離すべきでもないが、とにかく今回の百句鑑賞は、おおむね新俳句宣言の影響を受けることなく進行する予定だ。(中略)
八月は日干しに兵のよくならぶ 60
〈勤労の汗が君らの宝なり〉に限らず、「帝國海軍」の章には、五七五という器を公式言語の空疎によって満たそうとするかのような句が少なくない。〈夏時間鐡増産日々確か〉〈霧霽れて我が海軍の威容なり〉〈帝國を総攬したり青嵐〉などがそうだが、そんな中で異彩を放つのが掲句だ。果たしてこの〈日干しの兵〉は生きている?戦地でも毎日戦闘していたわけではなく、水浴して甲羅干しするようなことは普通にあっただろう。それなら結構なのだけれど。しかし、〈八月は〉である。これが戦いの終った戦場に遺棄された死体でない証拠もまたないのである。あるいは、日干しの魚や蛙のように痩せやつれた兵士たちが整列をして武装解除されているとか、捕虜となって給食を待っているとか、想像はいろいろに可能。不穏にして不快な〈よくならぶ〉だ。
とあった。ともあれ、本誌より、いかにいくつかの句を挙げておこう。
一蜻蛉(せいれい)一閃光として過ぐる 有澤榠櫨
国会前
腐草は蛍に腐国は万のペンライトに 関 悦史
風の名が日日草に追ひつけぬ 高山れおな
中秋や炒めて弾む鶏の心(ハツ) 佐藤文香
★閑話休題・・有賀眞澄「いつ無の名 無限ホテルに 切る燧/月光盾に破竹の塔よ」(「異界線」)・・
11月1日(日)、有賀眞澄・多賀新・立島夕子・戸田和子・マンタム「異界線」展(於:青梅・THE ATELIER・~11月3日(火)午前11時~午後7時まで)に出かけた。帰路、青梅駅に近く住む鈴木純一・中西ひろ美夫妻を急に呼び出して、駅近くの茶房で茶を飲んだ。久しぶりにお会いした。
撮影・鈴木純一「報國と書けど少なき歯磨き粉
萬歳でなく万才とする」↑
11月2日 山口二矢 没 (1943~1960) テロリスト




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