山﨑十生「除染まだ済まぬが螢舞っていた」(「紫」10月号/紫創立85周年記念号)・・


 「紫」10月号/ 紫創立85周年記念号(紫の会)、巻頭作品、山﨑十生「丙午10」の下段エッセイに、


 本年、十月をもちまして「紫」は創立八十五周年を迎えました。創刊者関口比良男師の後継を受け二十七年経ちました。(中略)

 思い起こせば「紫」には、優秀な先輩方が多く所属されていました。長い年月が流れ、先師を始めとし、その作家魂に報いるべく精進してまいりました。

 来年十月には創刊一〇〇〇号に達します。(中略)先師の「婆娑羅ぶり」の精神を守りつつ新しい伝統の構築のために今後も紫内外の同志と共に活動を続けて参る所存ですので宜しくお願いします。


 とあった。ともあれ、本誌本号より、以下にいくつかの句を上げておこう。


  見えるより見えぬ青葉が恐ろしい     山﨑十生

  すっぴんになればなるほど冷奴     渡辺まさる

  青ぶだう袋はづして欲しいとさ      浅野 都

  沈黙はあらがふ祈り夾竹桃       福島ときみ

  明滅の滅こそ要なる螢          渡辺智恵

  山からの風はおおらか夏座敷       金子和美

  万緑もまた水音に抱かるる      かみのみずほ

  賞味期限のながい牛乳水中花       日下晴美

  旅立ちという停留所夏の雲        後藤宣代

  今という時を生きやう蝉しぐれ      斎藤久子

  多情多恨表に出さず星月夜       早乙女文子

  バイト急募髪色自由夏近し        島田良江

  ほうたるの息の伝はるたなごころ     鈴木千鶴

  微かなる波音混じる江戸風鈴       西本明未

  きりがない程の傷あり夏木立       藤澤晴美

  遠い海鳴り空鳴りを休まず        細井美人

  煩悩の数を力と蛍とぶ          依田壽子

  星空の沈黙闇の音のする         新井史子

  夜の地震相次ぐ線状降水帯        岩切雅人

  数多なる解を導く泉あり         上田洋子

  夜干梅星のしずくを舐めてみる     折原野歩留

  噴水はありとあらゆる機首である     宮澤順子



★閑話休題・・川村恵子「かけはぎ屋傾く引き戸萩の風」(「立川こぶし句会」)・・


 10月9日(金)は、『立川こぶし句会」(於:立川女性総合センター アイム)だった。以下に一人一句をあげておこう。



  長雨の雨読に厭(あ)あきし九月かな   三橋米子

  きぬかつぎつるりと剥いて酒二合     伊藤康次

  パッチワーク蒼天に燃ゆななかまど    川村恵子

  秋深し若き日こえて弾(はず)みをり  樺島美知子

  怨念の眼光炯炯(けいけい)秋芝居    井澤勝代

  清張の二度三度読み夜半の秋       和田信行

  一列に歩む園児や鰯雲          山蔭典子

  バス停にたたずむ足や風白し       髙橋桂子

  花嫁に会う十月桜ほころびて       大井恒行



撮影・芽夢野うのき「イヌサフラン呼んでもいつも知らんぷり」↑

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