林桂「月よ 彼方の雪は花か」(「WEP俳句通信」152号より)・・


 「WEP俳句通信」152号(ウエップ俳句編集室)、特集は「〈筑紫磐井の《新俳句宣言》にたいして〉」。特集の扉に、


 WEP俳句通信151号誌上で筑紫磐井氏が〈新俳句宣言〉を発しました。それに対しての121人の俳人・評論家にご感想、ご意見をお書きいただけるか、原稿依頼をさせていただきました。無回答6人、否58人、諾57人。というわけで、57人の俳人・評論家にご感想、ご意見をお書きいただきました。


 とあり、57人の評は圧巻で、おおむね予想された範囲での回答であるが、「新俳句宣言」が無視されることなく総合俳句誌上で展開されたことについては「WEP俳句通信」の存在意義を示していよう。その中で青木亮人「三度の変革の後に」の結びに、


 (前略)それに和歌から連歌、俳諧、俳句へ変容するにつれて短詩化が図られており、その点、筑紫磐井氏の「未来俳句宣言」は俳句以上に短律を揚げている点で詩歌史の変容と図らずも平仄が合っている。その上で過去の歴史から未来を閲するならば、大規模な動乱等を経て生活や文化、常識が激変する時代を経ると傑作が生まれる、となるが……それは望むべきことか否かは分からない。


 と記している。ついで言っては恐縮だが、愚生は「筑紫磐井の〈新俳句宣言〉について――あるいは『未来俳句宣言』——」の結びに、


 (前略)鑑みて、新しい俳句の運動を、現実的なものにするには、心ある雑誌(種類は問わない)に、「未来俳句」欄を創設し、公募し、筑紫磐井単独選による授賞者を出したらいかがであろうか(もちろん、我こそは「未来俳句」の選者として登場しても可)。「我々は、過去に見たことのい無い風景をみたいのだ」と)。優れた俳句を見出し、かつ推奨できるのは、まさに志ある良き選者以外にはないのだから……。


と述べた。他にも紹介したい評はいくつかあるが、本ブログの紙幅がない。興味ある読者は、直接本誌に当たられたい。ともあれ、以下に、本誌より、いくつかの句を挙げておこう。


  一月の甘納豆はやせてます       坪内稔典

  蝶よ花よと柩の中で育てられ      高橋 龍

  白銀の天蛾くるくる惚れちゃたんだよ 宇多喜代子

  「吾(あ)」と無            筑紫磐井

  麿、変?              高山れおな

  日は氷(ひ)              前田 弘

  十一(じゆういち)           堀田季何

  草の花いま出来ることひとつづつ    上村敦子

  鉄鉢の中へも霰           種田山頭火

  大足のおほかみ大口でもあった     柳生正名

  白雲より大鷺降りて無音      マブソン青眼

  雪原の果ての風よ            林 桂

  水もまたふゆぐれの香のあめんぼう   石嶌 岳

  通り雨池のものらも涼しからむ    大石香代子



     撮影・芽夢野うのき「針は光ったここには誰もいない」↑

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