塩見恵介「振レバ鳴ル缶ノドロップ終戦日」(『俳句の眼をひらく/乙女のひととせ」の世界』)・・
同志社女子大学日本語日本文学科編『俳句の眼をひらく/「乙女のひととせ」の世界』(ブイツーソリューション)、その生井知子「はじめに」に、
同志社女子大学日本語日本文学科では、ニ〇一二年度から、俳人・塩見恵介先生を講師として俳句の授業を開講し、毎年の成果を「乙女のひととせ」という冊子にまとめて参りました。
この授業の中で俳句の面白さに目覚めたOGたちが、卒業後も塩見先生を囲み、「乙女のひととせ」の番外編として毎月ネット上で句会を開催しております。この句会も十年以上の時を経て、いまや授業のOGのみならず、年配の卒業生や教職員、他学科の卒業生も参加する大所帯となりました。
メンバーは初心者ばかりですが、毎月、俳句を楽しみ、俳句について語り合う楽しみを味わっております。
とある。本書の一例を挙げてみよう。
靴紐を二重に結び入試の日 奥田祐子
【春】(入学時試験)入試
◎気持ちの引き締まる感じと願掛けのバランスがとても良いと思いました。(森山由紀子)
◎佳い眼付の句で、これぞ入試の俳句、という感じ。緊張感、気合い、いろんな感情が足下の靴ひとつで見える。(塩見恵介)
とあった。ともあれ、以下に本書より、句のみになるが幾つかを挙げておこう。
子離れの春やバイエル弾いてみる 生井知子
初出社ミーアキャットのごとく立つ 辻田真波
リラ冷えや禁帯出のラベル貼る 田邉恭子
ぺディキュアがぬるい薄暑の排卵日 佐野瑞季
月鉾を見上げるそちらの喉仏 阪中梨沙
夏の月珊瑚は卵放ちゆく 福田知子
銀河系の片隅キャンプサイトあり 松尾唯花
星涼し目尻に銀のグリッター 泉 優梨
神様がスピログラフで描くダリア 窪田理恵
ビワイチの銀輪急かす秋の雷 滝澤伊都子
(「ビワイチ」は琵琶湖一周)
博打せぬ父の提げたる副袋 粂田完菜
廊下には無数の「明日」初硯 村川歩里
雪はらむブルーグレーの空に鳶 山下祥子
心配は明日にしようか雪うさぎ 余田由香利
撮影・中西ひろ美「緑濃し雫おく場所いとわずに」↑

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