森田緑郎「蓬の家か乱入の夜のほしいまま」(「海原」7/8月号より)・・


 「海原」7/8月号(海原発行所)、森田緑郎遺句抄(堀之内長一・抄出)のページがあって、愚生は,初めて森田緑郎の逝去を知った。令和8年4月17日逝去、享年96とあった。思えば、故多賀芳子宅でお会いしてから、長い間交誼をいただいた。もう一つ、今号の本誌には注目の記事に、齊藤しじみ「わが追憶の満州、熊野そそて広島~俳人・安西篤の産土を辿る~(前編)」がある。

 ともあれ、以下に本誌本号より、いくつかの句を挙げておこう。


  春浅きガザに数なす写楽面        安西 篤

  瀕死なる国に原爆落とせと命       武田伸一

  天に網昼顔に耳ありそうな       堀之内長一

  配膳ロボットときおり青き踏みたがる   宮崎斗士

  鳶は衛星になりたい笛を吹くら      十河宣洋

  老いてなおわが声紋をみがく春      舘岡誠二

  紐いろいろその世の海髪の流れ寄る    山中葛子

  巣箱置きますます耳は透明に       若森京子

  弾丸を遠くに置いて蟬時雨        中内亮玄

  蜥蜴出づお主も金釘流にて生きよ     並木邑人

  手の平は虚構の飛び地飛花落花      松本勇二

  意思ありて意思なくクラゲ寄り添う  マブソン青眼  

  橋をいま渡りし友よ著莪真昼      水野真由美

  三月三角、四月はなんか四角っぽい    望月士郎

  てふてふに生きかはるまで石鹸玉     柳生正名

  花の闇真闇火の闇水の闇         山本 掌

  花便り掻き消す戦四月の雪        石川青狼

  恋猫や島にひとつの雑貨店        小野裕三

  少年と夫婦のように端居して     こしのゆみこ

  帽子屋の鏡に映る木の葉髪        芹沢愛子

  ハルシネーション白き火白き火蛾     田中亜美

  桜咲き満ちて宇宙に宇宙船       月野ぽぽな

  こんな日は恋人つなぎ櫻雨       石橋いろり

  入学や雲形定規穴ばかり         片岡秀樹

  風船を逃がさぬように糸と針       河西志帆

  淡雪は二・二六を見ていたか       野口佐稔

  身の内に蜃気楼あり 春の海       武藤 幹

  春愁にアスタリスクをもう一つ    山本まさゆき

  こんなむしゃくしゃさえずりがありったけ 田中信克 



 ★閑話休題・・大井恒行選「文春俳壇」締め切り迫る!7月13日(月)・・

           https://bunshun.jp/articles/-/89285

   ↑上に「文春オンライン」の投稿フォームのアドレスを貼り付けます。是非、皆さんのご応募をお待ちしています。入選者には掲載誌が送付されます。発売日は8月6日。初秋号。


        撮影・中西ひろ美「深きまで木々を宿せり武田菱」↑

コメント

このブログの人気の投稿

高篤三「Voa Voaと冬暖のメトロ出る河童」(『新興俳人 高篤三資料集』より)・・ 

田中裕明「雪舟は多く残らず秋蛍」(『田中裕明の百句』より)・・

渡辺信子「ランウェイのごとく歩けば春の土手」(第47回・切手×郵便切手「ことごと句会」)・・