宮本佳世乃「ただ紙をめくるあかるくてさみしい」(「What’s」Vol.10)・・


 「What’s」Vol.10(編集発行人 広瀬ちえみ)、編集後記とも思える巻尾の「ツリーハウス」に、


 ◆今号の「招待作家」は俳人の宮本佳世乃さんです。「第3回ブレンド句会」の選者を、そして「樋口由紀子追悼句会」の大変な作業をしていただきました。佳世乃さんの第二句集『三〇一号室』(港の人 ニ〇一九年)の句集評を「晴5号」に書いてからのご縁です。

〈一滴となり夕焼が口のなか〉〈水澄んであとはバドミントンでいい〉〈二階建てバスの二階にゐるおはやう〉/由紀子さんのご葬儀の翌日、佳世乃さんとの須磨の旅ではカーレーターに初めて乗り、佳世乃さんの悲鳴を聞き、須磨寺では敦盛の青葉の笛に再会できました。明石海峡大橋と淡路島を眺め、海と桜を満喫し、由紀子さんからのプレゼントのような時間を過ごしました。


 とあった。その他、盛沢山の目次には、柳本々々「柳本々々の詩 よっつ」、月波与生「英語で川柳を書くーSenryuの骨格」、鈴木茂雄「詩形の核心:現代俳句の創造と批評」、暮田真名「『宇宙人のためのせんりゅう入門』番外編/『ゆきどけ産声翻訳機』のつくりかた」、妹尾凛「句集『めるくまーる』のこと」、第3回ブレンド句会「対談 西原天気&飯島章友」等々。ともあれ、本誌本号より、いくつかの作品を以下に挙げておこう。


     悼・由紀子さん

  ご招待断る勇気なんて あるよ!!      松永千秋

  カッターで少しずつ切る東京タワー      月波与生

  あいうえおうけこにかけこかきくけこ     鈴木節子

  木を抱いて思い出せない木のなまえ     佐藤みさ子

  どんぐりこんくりせんちめんたると      妹尾 凛

  金箔をたくさん使う本願寺          水本石華

  じじこくこくとかわるあなたもわたくしも   浮 千草

  ローセキで由紀子と描いてケンケンパ      叶 裕

  冬からの卒業式のふきのとう        佐藤真紀子

  草笛によき草もらふ神の園          川村研治

  別人だけが並ぶ証明写真           竹井紫乙

  マイナーカードの顔写真は他人のにする    中内火星

  水をあける水をとじるねむい         加藤久子

  たとえばを反故にするほんの不可思議     兵頭全郎

  ゆめゆめと逃げおおせると思いたい    いなだ豆乃助

  草花や名まえをもたぬ家事雑事       高橋かづき

  どの年も初体験の花吹雪          広瀬ちえみ

  すれ違ふ昨日と違ふ白梅と          鈴木茂雄

  登れないジャングルジムに花吹雪      樋口由紀子



   撮影・中西ひろ美「ユウゲショウ連れて帰るともういない」↑

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