鎌倉佐弓「パンジーに水やるついでに小石にも」(『APPLAUSE FOR A CLOUD/雲へ拍手』)・・
鎌倉佐弓第7句集『雲へ拍手/Applause for a Cloud』(Black Ocean)、挟み込みの鎌倉佐弓の便りには、
本書『雲へ拍手(APPLAUSE FOR CLOUD)』は、句集『潤』『水の十字架』『天窓から』『走れば春』『海はクララ』『雲の領分』に続く私の第七句集です。主に国際俳句雑誌『吟遊』第71号(2016年7月30日)より第90号(2021年4月20日)に発表した作品を中心にまとめました。
その上で、「吟遊」第22号(2004年4月20日)より私の俳句を翻訳してくださっているジェームス・シェイ(James Shea)氏の尽力で、日本語を英訳で出版することになりました。
とあった。集名に因む句は、
雲へ拍手じょうずに春を呼べました 佐弓
Applause for a Cloudー
you did such a fine job
of calling for spring
であろう。ともあれ、以下に本集より、愚生好みに偏するが、いくつかの句を挙げておこう(英訳部分は除く)。
紅ばらの尖るのは棘だけにおし
星を入れ損ねた氷柱からしずく
赤おにの涙もながれ春の川
どうしてもこちらに来るのね蟻の列
「暑いってば」吹き方を忘れた風に
砂の塔すなを信じて砂にそびえる
あめんぼの後から水がのっしのっし
「ボンジョルノ(おはよう)」カーテンが菫に挨拶
フレスコ画から赤が消えマリアも消えた
塔は思う空はいつまでいてくれるか
さくら三日目散るのが怖くなっている
枝よりも幹を信じて木の葉散る
初景色仕上げは塩をひとつまみ
鎌倉佐弓(かまくら・さゆみ) 1953年、高知県生まれ。
撮影・中西ひろ美「たまごにも卵相があり五月場所」↑

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