大屋達治「満月や床にころがる糖衣錠」(「俳句四季」12月号より)・・

 

 「俳句四季」12月号(東京四季出版)、特集は「俳句四季新人賞・奨励賞受賞記念作品/新人賞最終候補者競泳5句」。筑紫磐井「俳壇観測 連載263」は「少しも衰えない虚子研究ーー生誕一五〇年を迎えて」、坂口昌弘「忘れ得ぬ俳人と秀句 第69回・會津八一」、青木亮人「句の手触り、俳人の響きVol8.62―現代俳人スケッチー品川鈴子と『ぐろっけ』15」、井上泰至「俳句の詩語 イメージ辞典 ⑫世」。「人と作品」は広渡敬雄『全国・俳枕の旅62選』、「俳句と短歌の10作競詠」は杉山久子VS辰巳泰子など。ともあれ。本誌本号より、いくつかの句歌を挙げておこう。


  鍵束に用なき鍵も冬の星         杉山久子

  電飾が樹木をさらに暗くした もともとくらい いのちというは  辰巳泰子

  富士晩照さて冬支度死支度        遠山陽子

  人白くほたるの森へ溶けきれず      浅川芳直

  星残す初東雲に夜汽車着く        星野 愛

  腕のなか死して鶏重くなりぬ      関戸灯之介

  星冴ゆる硝子の花に積もる塵       加藤幸龍

  河骨や芦雪の犬の浮かみくる       中西亮太

  永遠に浮かぶ枯野のフリスビー      加藤右馬

  結縄の簗を傷むる数へ歌         斎藤秀雄

  日を孵す鳥は名の木の名に溺れ       未 補

  木目濃き兜太の机大花野        渡部有紀子

  冬枯の生死を分くる未明かな      大竹多可志

  この口もいづれ死のもの桃吹けり    鳥居真里子

  日進月歩裸木になるために        松澤雅世

  川底に自転車建国記念の日        東 國人 



       撮影・鈴木純一「大人びて名は何とやら四日月」↑

コメント

このブログの人気の投稿

高篤三「Voa Voaと冬暖のメトロ出る河童」(『新興俳人 高篤三資料集』より)・・ 

田中裕明「雪舟は多く残らず秋蛍」(『田中裕明の百句』より)・・

渡辺信子「ランウェイのごとく歩けば春の土手」(第47回・切手×郵便切手「ことごと句会」)・・