大井恒行「現代俳句協会は、俳句ユネスコ無形文化財遺産登録推進協議会から離脱せよ」(「俳壇」11月号より)・・



「俳壇」11月号(本阿弥書店)、愚生担当では、今年最後の「俳壇時評」で「現代俳句協会は、俳句ユネスコ無形文化遺産登録推進協議会かあら離脱せよ」を寄稿した。
 
 本誌五月号において、ボクは「建前に雪崩れる四協会」と題して、俳句ユネスコ無形文化遺産への登録運動に疑問を呈した。珍しくいくつかの反響があり、直接、意見を言って下さる方々がおられたのは、ボクの意見があながち無謀な言い掛かりではなかったようだ。

  と記して、思うところを率直に書いたので、興味を持たれた方は、直接本誌に当たられたい。本誌本号の特集は「歳時記の世界」で、石寒太「歳時記の曲がり角」、山田閏子「実作者のために歳時記」、橋本直「大歳時記試論ー改造社『俳諧歳時記』について」、照井翠「立てられた『柱』、堀田季何「海外の歳時記について」、堀切克洋「歳時記のない世界から」、大西朋「未来を築くー結社の歳時記。季題別俳句集」、エッセイの「私と歳時記」に岩永はるみ「新幹線の愛読書」、野ざらし延男「忌日季語への異議」、今井肖子「読み物としても」、福田若之「季題と歳時記」を執筆している。巻頭エッセイは林桂「俳枕としての群馬ー『群馬百人一句α』まで」。ともあれ、本号の以下に目に付いた句をいくつか挙げておこう。

  仮の世を刻みし句碑や星流る           河村正浩
  亡き人とふたり暮らしの草津月          西村和子
  浦島に似たる鵜匠の捌きやう           森岡正作
  空鳴らす濤の高さや烏瓜            長島衣伊子 
  襖入れ母に暗がり生まれけり           藤田直子
  露草の歩くと咲いてゐる忌日           茅根知子
  ロープウェイの角度炎天見る角度        佐怒賀直美
  透析の血の代はりゆく冬ぬくし         石井いさお
  円盤の枯野はつかに浮き上がる          岡野泰輔
  月見舟蓮葉の闇を引きかへし           宇野恭子
  スポーツの日の鴨川のヌートリア         杉浦圭祐
  塔の影置く惜秋の水鏡             古賀しぐれ
  正倉院曝涼奈良町のいけず石           西谷剛周
  蘆の花一つ起きなほれば次も          対中いずみ
  それぞれが自由に暮らし秋の海          星野 椿
  戦争が立たぬ縁側ぬくとしよ           宮坂静生
  原爆忌少年のそば少女ゐて           名村早智子
  戦争は止まず無傷の龍の玉            石倉夏生
  星飛んで太平洋は星の海             工藤 進
  切株を焼く常しへに歌へぬやう          関灯之介
  盆花や念仏擬(ねんぶつもどき)をむにやむにや 山地春眠子

 

★閑話休題・・被爆者団体喜びの声/被団協ノーベル賞「活動認められた」(「讀賣新聞」10月12日・土 朝刊)・・


「讀賣新聞」10月12日(土)朝刊に、被団協のノーベル平和賞受賞関連記事に、「遊句会」で愚生の仲間としておられた、石飛公也(被爆者らでつくる「東友の会」理事)が出ていた(遊句会にはTVプレバトにたまに出演する春風亭昇吉もいる)。その記事中に

 戦火の広がる朝鮮半島から故郷の広島市を目指し、原爆投下の2日後の8月8日に、市内に入って被爆した。4歳の頃だった。市街地は一面焼け野原で、多数の遺体が焼かれていた。「毎年8月になると、あの光景や臭い匂いを思い出す」と語る。
 核廃絶を実現するため、体験を後世に伝える活動を続けてきた石飛さん。「今回の受賞で核兵器の恐ろしさが改めて注目され、世界から核がなくなる契機になれば」と語った。

 とあった。愚生も、石飛氏がそういう活動をされていることは、少しは知っていたが、詳しいことは知らなかった。



    撮影・中西ひろ美「秋水はグッピー容れた色になる」↑

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