田中位和子「野ぶだうを活け部屋は野の風の中」(『銀の柄杓』)・・
田中位和子第一句集『銀の柄杓』(書肆麒麟)、装幀は著者自装。序や跋、「あとがき」などのはない。実にシンプルである。従って、著者略歴を全て抽いておこう。
田中位和子(たなか・みわこ)
一九九一年四月、夫の転勤に伴い香港に移住。
香港日本人クラブ俳句会に入会。俳句初体験。
一九九五年帰国。幾つかの結社を経て、
二〇一六年、俳句同人誌「円錐」に入会。
現在に至る。
とあった。ともあれ、愚生好みに偏するが、以下にいくつかの句を挙げておきたい。
ものの芽や仮住まひなる日を重ぬ 位和子
生類の嘆きの外にゐる寝釈迦
恋猫に袋小路の塀高し
蟻穴を出づるや泥を被りけり
人来たり人去り日永なるベンチ
漕ぐでなく漕がぬでもなし半仙戯
咥へられ蛇はからずも空を飛ぶ
春立や自作自演のト書き練る
垂直に水平に秋深みけり
ものの芽や心中出でぬ虫一匹
大道を飛び六方や浮かれ猫
老鶯や原野に朽ちてゐるサイロ
★閑話休題・・春風亭昇吉「名月は東に父島観測所」(TVプレバト金秋戦より)・・
昨夜、10月12日(木)TVプレバト金秋戦は、前回、予選一位で決勝進出を果たした、遊句会の仲間である春風亭昇吉が連続で出場していた。句は、夏井いつき先生の添削が入って、「満月は東に父島間観測所」となった。順位は5位に入り、よく健闘したと思う。因みに、優勝の一位は、森迫永依「朝月のアザーン砂漠の空港へ」であった。
撮影・芽夢野うのき「天上の魂も寂しや昼の秋」↑

コメント
コメントを投稿