酒巻英一郎「いまいちど/なんぢやもんぢやの/奇をめぐる」(「LOTUS」第51号より)・・


 「LOTUS」第51号(LOTUSの会)、特集は「蓮喰い人の宴ーLOTUS 50句シュンポシオン評」。その合評会は、小野初江・九堂夜想(司会4)・熊谷陽一・三枝桂子・松本光雄・無時空映「LOTUSの現在、あるいは俳句における〈毒〉について」。論考は松本カロ「十四人への手紙」、田沼泰彦「蓮船のゆくえ」、未補「LOTUS50句シュンポシオン一句鑑賞」、斎藤秀雄「十四人十四句」、酒巻英一郎「無名性の彼方へ」、志賀康「五十句寸感」、古田嘉彦「五十号作品評」、松本光雄「いわく言いがたいもの」。評論は、志賀康「無の門―安井浩司を読み直す」が23ページにわたり、


 上段に各句集から選び抜いた作品を、下の段に評論やエッセイの抜粋をしてある。普通の二段組と場合と異なり、上段は上段で、下段は下段で次のページに読み進んでいただきたい。

 評論やエッセイは、上段の作品が発表された時期と、なるべく同時期のものを引用するようにした。(中略)作品と評論の相互作用をどう見るかは、読者それぞれに委ねられている。


 とあった。安井浩司の全体が見通せるようにしてあるのだ。ともあれ、本誌本号よりの一人一句を以下に挙げておきたい。


  怨言も

   恩言に似る

    死後詩篇               奥山人


  鶴よ来よそして連理のいつの日か     小野初江

  幻魚(げんげ)ふと幻日かくす麦ぼこり  丑丸敬史

  亀あるく背に月光を砕きつつ       表健太郎

  悲をこぼす乳房や常(とこ)に毬跳ねて  九堂夜想

  夢のへこみへ降る秋霖          熊谷陽一

  窯変やいくたび殺す花のいろ       三枝桂子

  

  うぐひす渓の

  あやなしの火を

  跨ぎきて               酒巻英一郎

 

  陽春のごく内側を人と雲         志賀 康

  石塚に吹き付ける風乾いた雪       曾根 毅

  転語からみずしたたるや烏瓜      高橋比呂子

    刺激的なるものや言葉で「中心」を取り戻そうとす

    る試みに固執すべきだろうか。

  常軌を逸した植物であるところの抱擁   古田嘉彦

  たま御霊みんな偶々生身魂        松本光雄

  みみずくや古き手毬に手籠められ     無時空映



 芽夢野うのき「だれがつけたかその名の愛嬌へくそかずらさん」↑

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