髙田正子「ちちははの旅の終りの青山河」(『紅藍』)・・


 髙田正子第4句集『紅藍(こうらん)』(ふらんす堂)、著者「あとがき」に、


 『紅藍』は『青麗』(二〇一四年刊)以降二〇二三年秋までの作品を収めた第四句集です。

 母のあと父を送り、新型コロナ禍を経て、黒田杏子師の急逝という霹靂に打たれるまでの九年間を三百句にまとめました。

 これまで句集は、章ごとにテーマを立てる編み方をしてまいりましたが、このたびは制作年を意識し、且つ逆編年体で編むことにしました。すると、読み直すたびに亡き人が息を吹き返し、病む人が立ち上がるのです。

 句集は新しいスタート地点を確認するためにの標であると考えておりますが、思いがけないメモリアル効果に驚くことになりました。(中略)

 結社「青麗」設立は二〇二三年八月十日です。その時点までの歳月をここに総括し、来る三周年へ向けて、心あらたに歩み出したいと思います。


 とあった。ともあれ、本集より、愚生好みに偏するが、いくつかの句を以下に挙げておきたい。


  発たれしや辛夷の空をまなうらに      正子

    同月齋藤愼爾氏、翌月大石悦子氏も

  ひとりづつ去る花の塵踏み分けて 

  鰯雲どこかに赤き戦の火

  夢と知りつつちちははへ初電話

  足音を涼しく去りてゆかれしよ

  鳥の恋始まつてゐつはるかな木

  あたたかな色にならむと枯れ急ぐ

  ほうたるを待ち荒草にうづくまる

  たましひの遊びだすまで滝の前

  子に見えて吾には見えぬ帰り花

  冬麗と冬のうららかとは違ふ

  秋澄むや水のごとくに火を描き

  龍の涙か炎天の一雫

  

 髙田正子(たかだ・まさこ)1959年、岐阜県生まれ。






★閑話休題・・唄い弾き・狂犬バクシーシ/ギター流師(ながし)・丹野恭司/ストリップティーズアメノウズメ・牧瀬茜(於:下北沢tomboy)





 6月21日(日)午後は、ヒデキ・スエモリこと狂犬バクシーシの詠んだ「のどかさよおののきよ虫のあゆみよ」と出だしをギターに乗せてのライブだった。牧瀬茜詩集『うみにかえりたい』(七月堂刊)があったのでもとめた。



      撮影・芽夢野うのき「傘の字に四人と十字架蟬羽月」↑

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