加藤知子「あやめるあやめ/あーやめないあやめ/あやめる二人」(『絵と現代俳句/日常と非日常 又はその被膜』より)・・」


  加藤知子(俳句)・佐藤厚子(植物画)『絵と現代俳句 二人展作品集/日常と非日常又はその被膜』(俳句短歌We社)、巻末の「二人展を終えて」に、


 ニ〇二六年三月二一日から四月十二日までの間、カフェギャラリーチムチム(菊池市隈府)にて、「日常と非日常又はその被膜・絵と現代俳句の二人展」と題するコラボ展を開催した。

 佐藤厚子さんの描いた植物画二八点に、加藤知子が、それらに符合させる俳句二八点(既刊句集から選んだ二〇点と新作八点)を軸・色紙・短冊に墨書して展示したものである。(中略)

また、初めて出会う来場者と、拙句をきっかけに俳句の話が弾んだことも今までにない貴重な經驗であった。(中略)

 世界は戦火にまみれてはいるが、ご高覧いただいた方々を含め、人の輪に感謝するとともに、今後も精進していこうという決意を新たにした。


  とあった。



 ともあれ、本書より、いくつかの句を挙げておこう。


  戦いに征かないさくら征くさくら      知子

  姫しゃら木肌モディリアーニの首こんな

  種熟す宇宙に綺羅野在るごとし

  枯蓮のおどる埴輪のようだ月

  柚子の実もいだどこまでも空が明るい


 加藤知子(かとう・ともこ) 1955年、熊本県菊池市生まれ。

 佐藤厚子(さとう・あつこ) 1970年、熊本県菊池市生まれ。



★閑話休題・・中島悠美子「氷瀑のひかりの分母まで息を」(全国俳誌協会第32回「全国俳句コンクール作品集」より)・・


全国俳誌協会・第32回「全国俳句コンクール作品集」(全国俳誌協会)、「コンクールを終えて」に、


 一千三百句を超えるご応募を頂き、前回にもまして充実したコンクールとなりました。ご投句くださった皆様に、心からお礼申しあげます。(会長・秋尾敏/大会委員長・今野龍二)


とあった。以下に、いくつかの句を紹介しておこう。


  その場所にその人の居ぬ寒さかな     野口英二(協会賞)

  まだ生きて八月の重い吃音        中岡昌太(優秀賞)

  ボロ市のまだ売れ残る青い鳥       今野龍二

  ファスナーの上がらぬ母の日の背中  長谷川はるか    

  寒星へおもちやの兵はひとりであつた   上野龍子

  巡業の一座に届く寒卵         加那屋こあ

  何にでも落してみたき寒卵        白石正人

  変拍子踏みて落穂を拾ふ母        宮川 夏

  稜線を寝釈迦に見せる星月夜       山本敏倖

  八月の蟬平熱に戻れない        栗原かつ代

  ビーナスの片腕探し揚羽蝶        岡本紗矢



       撮影・中西ひろ美「一日の半分黙る梅雨晴れ間↑

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