湾夕彦「大神(おおかみ)の神の大息銀竜草」(「非」第9号より)・・
個人誌「非」第9号(編集・発行 米岡隆文)、その「前書き」に、
(前略)エッセイや批評文、歴史研究、思想研究などの文章を合わせて「迷想録」とし、散文関係をアフォリズム形式で統一することにした。従って、本名で書くのが、「俳句よろづ帖」「迷想録」「句集を読む」「川柳を読む」となる。俳句作品は、湾夕彦の名義で「湾夕彦作品集」のみとなる。これが半年分溜まったら個人誌「非」を発行している。今号は都合により「句集を読む」はお休み。かわりに、合同句集『螢火』の選句選評を掲載する。これは、私が教えに行っている螢会がめでたく5年が経ったので、記念に合同句集を5月1日に刊行したものである。その内容について、選句と選評を巻末に加えることにした。
とあった。ともあれ、アトランダムになるが、本誌本号よりいくつかの句を以下に挙げておこう。
ひるすぎの小屋を壊せばみなすすき 安井浩司
稲妻や死ぬ人を待つ白位牌 石川雷児
前へススメ前へススミテ還ラザル 池田澄子
逝く母を父が迎えへて木の根明く 宮坂静生
月よりの波なりわれに寄するなり 高橋睦郎
捕虫網かたちなきもの追ふごとく 大串 章
ものへかえればものの掟の春の闇 湾 夕彦
死をまへに河骨晴れてをりにけり 岩田 奎
風鈴が六個記憶を壊し合ひ 西村麒麟
窓のある球体の浮く秋の昼 鴇田智哉
背中にはさやかに続くなまこ壁 宮本佳世乃
戦争も蛇も見つからないように来る 滋野さち
月光をよじのぼろうとしてますの 中西軒わ
ごめんくださいあしたからのわたしです 鎌田京子
ほどかれてゆく夕焼かわたくしか 大西泰世
やっかいな穴を抱えているずっと 松永千秋
こぼさずに揺らさずに海抱いてゆく 矢本大雪
死ぬときは死ぬというのがエチケット くんじろう
今生のちぢれ具合を見て下さい 野沢省吾
はつなつへ全身の水入れ替える 樋口由紀子
我が影の濃さに気づけし冬の月 キツツキ(兒山庸子)
蕎麦の花韮山三座背景に 志都子(清水志都子)
さざさざと還魂の音か秋雨か 祥子(中村祥子)
新幹線桜前線一直線 美津子(加藤美津子)
夜桜や異界の扉ひらきます ヤング恵子(岩井恵子)
ランドセル色鉛筆になれば良い 友里(仲尾友里)
夜明けの気霜福男の疾走 ようすけ(徳重陽佑)
撮影・芽夢野うのき「人殺めしこともできそうな青カリン」↑

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