清水正之「ろくろ廻す爪先に現(あ)る土の神 」(第42回「きすげ句会」)・・ 


  6月19日(木)は、第42回「きすげ句会」(於:府中市生涯学習センター)だった。兼題は「五月雨」。以下に一人一句を挙げておこう。


  さみだれや泣きたいような昼さがり      寺地千穂

  父の日や手紙に書けぬ言葉あり        高野芳一

  慰霊の日ただ紺碧の海の色          杦森松一

  紫陽花の花色あせる暑さかな         清水正之

  旱星ポケットに入れたがるカンガルー     山川桂子

  夏てふ舞ふ寄り添ふ影も生きてをり      濱 筆治

  五月雨にトボトボ蛙アジサイの道      大場久美子

  五月闇聴こゆる振りの白寿かな        新宅秀則

  五月雨や梅太らせて滴りぬ         久保田和代

  荒梅雨や座敷横切る子連れ猫         井上芳子

  オオウミウマ乗るは弥勒の心映え       大井恒行 


 次回は、7月17日(木)、会場はいつもと変わって、府中市中央文化センター。兼題は「蟬」。



★閑話休題・・津髙里永子「街小さく見ゆる一気のソーダ水」(「~ちょっと立ちどまって~2025・5~」)・・


 「~ちょっと立ちどまって~」は津髙里永子と森澤程の二人の葉書つうしん。あと一人、森澤程の句を以下に‥‥。


   量子ってなに蛇は枝を巻き進み       森澤程



        撮影・鈴木純一「蓮の音や中将姫はまつり縫ひ」↑

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