藤原龍一郎「ドローンが春の空飛ぶのどかさや原発並ぶ若狭海岸」(「短歌研究」5+6号)・・
「短歌研究」2026/5+6・第83巻第3号(短歌研究社)、扉には、
短歌・ハズ・ノー・ボーダーズ/300歌人の新作作作品集/七首+エッセイ(エッセイのテーマ=わたしの壁)
一冊丸ごと新作短歌(+エッセイ)の特別編成号でお送りします。/毎号の連載や企画はお休みです。
性別や年齢などではくくらずず、掲載はほぼ五十音順です。
今年はキャッチフレーズを、「短歌・ハズ・ノー・ボーダーズ」としました。/沙菜座真菜キャリアのみなさんが作品を寄せる、自由なセッションのような号となればという思いを託しました。
とあった。ともあれ、以下には、幾人か出会った方々の幾つかの短歌を挙げることにします。どうしても、愚生と近い年齢の方になってしまいました。
黒船の来しころといふのらぼう菜のルーツは相模の赤き畑 馬場あき子
雪月花美(は)しきはいづれ 絶望に耐へゐる時か絶望に耐へ得ぬ時か 伊藤一彦
さくら狩りなのに桜ぢやないものを狩る人々と夜の涯まで 荻原裕幸
わがものにあらねど目に得て楽しむは咲きそめの梅、葉かげの椿 久々湊盈子
泣きやんだばかりの木かもしれなくて夜の公園のミモザ凭る 栗木京子
人類の滅び早めるものふたつ核とAI あらたなる神 桑原正紀
青虫をcatefpillarとぞ訳しつつ春期休暇に流れ込む児よ 黒瀬珂瀾
冬枯れの利根川わたるわが電車とほいところへ行つてしまへと 小池 光
もし春のたてがみあらばいまここがどこかわかるか疾風(はやかぜ)のなか 小島ゆかり
「水師営の会見」「君死にたまふことなかれ」虚空に伸ばす明治のかいな 三枝昂之
ぬめりたる豚の匂いに沈みゆく暖簾の奥の博多濃麻呂 佐佐木定綱
岡井・田井・河野不在の結社誌の山賊鍋のやうな賑はひ 佐藤通雅
人はみな地球に産まれ地球に消ゆ地産地消(ちさんちせう)のいのち愛(かな)しも
高野公彦
咎なくておおき陰りに遭うごとし 母亡きあとのわたくしと父 辰巳泰子
寒天でできたお墓がお似合いねしあわせだった人が消えたら 土井礼一郎
木蓮と辛夷のちがひを教へたり覚えないだらうと思ひつつ説く 永田 紅
いまの私にきつとあなたは惚れなほす見てゐてほしい今のわたくし 永田和宏
もう撮ってもらえないんだと気づく朝
カメラをのこして兄は召されて 林あまり
目を醒ますことだけが夢の出口だと地下水道をばさばさ走る 林 和清
思い残すことはないと書いてある母のLINEに絵文字少なし 東 直子
絶叫!そして其の人もしや落魄の老いし黄金バットでないか 福島泰樹
いいえあなたは「貧」でも「病」でもない場所でそのヴァイオリンの弓をひくのよ
正岡 豊
勾玉のジェダイド手のひらに置く翡翠はこころに沈む石です 松平盟子
復活祭迫れるパリの路上にはしづこころなき土鳩のピラト、土鳩のヘロデ 水原紫苑
十日ぶりにハン・ガンに戻り着く読みつながんとページを開く 道浦母都子
どんな時どんな場所でもあなたへもGood nightそしてHappy New Year 八木博信
人間は石でないから白い花、泡立つ声をせめて飾って 山崎聡子
戦死者の見上げし首の角度ならむ雨降る空に浮く米軍機 吉川宏志
★閑話休題・・2026年「遊五人展 5月8日(金)~13日(水)11時~17時」(於:松山市ギャラリーキャメルK)・・
5月9日(土)午後3~、朗読会「詩と俳句」(無料)が開催される。武馬久仁裕から「今年もやります」と案内が来た。お近くの方はぜひお寄り下さい。
参加者は岡本亜蘇、大早友章、金井令子、キム・チャンヒ、久我正明、小西昭夫、得松ショージ、世良和夫、高橋正治、竹田美喜、濱田桂子、東英幸、武馬久仁裕、津田光一。
撮影・鈴木純一「あ~あ生まれた日にあ~あ死んじゃった」↑
牧伸二 4月29日 没(1934~ 2013)

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