杉本青三郎「旋律を乗せて雲ゆく木の芽時」(第67回「ことごと句会」)・・


 3月15日(土)は第67回「ことどと句会」(於:ルノアール新宿区役所横店)だった。兼題は「島」。一人一句を挙げておこう。


  青空の支店の顔のイヌフグリ      江良純雄

  天気図は指紋のかたち春時雨      石原友夫

  ふしくれだった半島から春風     杉本青三郎

  アッツ島へ呼ばれてかへる鳥もゐて   林ひとみ

  春時雨画架抱いて乗る島渡船      渡邉樹音

  自転車スマホ 以て遠島申し付く    渡辺信子

  春といふ世に歪(いびつ)あり風車   武藤 幹

  T字路にY字路に雪しんしん       金田一剛

  春兆す妻が秘かに紅を変え       村上直樹

  冬の雨柩の中嶋俺はさざ波       照井三余

  蜃気楼原子の火燃ゆる半島       杦森松一

  椿落つとりつく島もなく落つる     大井恒行


 次回は、4月19日(土)。



★閑話休題・・春風亭昇吉「ポッキーも春もボートと浮いている」(3月13日(木)「TVプレバト・春光戦」)・・



 遊句会の仲間である春風亭庄吉が久々にTVプレバト・春光戦に登場した。決勝戦に残れず、かつ地上波テレビでは句も放送されない第11位に甘んじたが、放映されない部分はTVer ティーバーで見られるというので、愚生は携帯で初めてそのティーバーとやらで見たのだ。第12位が立川志らく「モノクロの桜にグリコの赤い箱」だった。テーマは「思わず食べてしまう菓子」だったように思う。



        撮影・鈴木純一「訪れる人もあれかし沈丁花」↑

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