水崎野里子「春寒く/花の蕾も/開かずに/瓦礫に雪の/白き屍衣見ゆ」(『平和の葉っぱ』)・・


  水崎野里子日英句集『平和の葉っぱ』(コールサック社)、解説は鈴木日佐雄「地球の冷えを温める平和の葉っぱを飛ばす人ー水崎野里子日英句集『平和の葉っぱ/A Leaf of Peace』に寄せて」、その中に、


 詩人・歌人・翻訳家・評論家の水崎野里子氏が、初めての句集である日英句集『平和の葉っぱ/A Leaf of Peace 』を刊行した。本書は水崎野里子氏の多様な表現の試みが至りついた、とてもシンプルで最も重要な思いを宿した日英句集と言えるだろう。コールサック社の英語翻訳において水崎氏は2007年に『原爆詩人一八一人集』英語版の翻訳、2010年にディヴィッド・クリーガー日英詩集『神の涙——広島・長崎原爆 国境を越えて』の翻訳、2021年にラングストーン・ヒューズ英日選詩集『友愛・自由・夢屑・霊歌』の翻訳などを手掛けた。そのヒューズ英日選詩集の解説文で私は次のように翻訳者としての足跡や考え方を紹介した。(中略)

 水崎野里子氏の3行俳句は詩であり「手紙」であり、その「手紙」は「平和の葉っぱ」であり、それは「憎しみの壁」を打ち砕き国境を越え、「地球の花冷え」の村や町へ平和で温かな心を届けたいと願っている。私は2か国語で表現された日英句集『平和の葉っぱ』がクリーガー氏のような世界平和を探し求める人びととのところに飛んでいくことを夢みている。


  とあった。ともぁれ、本書より、いくつかの句を挙げておこう(途中英訳を付さず)。


  河の神       the river gods

  山なる神も     as well as mountain gods

  熱の神       heated demons


  広島と       A-Bombs of

  長崎原爆                          Hiroshima and Nagasaki

  季語と化し                      seasonable word in haiku


        わたしの詩は 平和の葉っぱ

  あなたのところへ飛んでいく

  憎しみの壁は 打ち砕かれて


  やがてすぐ/夏は去り行く/死の際へ

  死神の/裳裾にすがり/コロナ吹く

  雪が降る 彼らの上に/すべての瓦礫を/白い巨大な屍衣で覆う

  神は殺す/人間は殺す/我々を

  

 水崎野里子(みずさき・のりこ) 1949年、東京生まれ。



★閑話休題・・ 5月1日(金)・第97回日比谷メーデーへ!於:亀戸中央公園午前10時、デモ出発11時15分予定!


 主催:第97回日比谷メーデー実行委員会のチラシには、「メーデーを『闘いの広場』として位置付け、統一メーデーの実現を求める立場を確認し、すべての働く仲間と平和と民主主義、一人ひとりの人権が尊重される社会をめざし、5月1日に開催する第97回日比谷メーデーへの参加を呼びかけます」とあった。



      撮影・中西ひろ美「春の暮かわたれ刻の誰に遭うか」↑

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