永田浩三「なんじゃもんじゃ ペルシャに白袋積みあがる」(「俳人『九条の会』新緑のつどい」より)・・


                  永田浩三氏↑

  4月25日(土)は「俳人『九条の会』新緑のつどい」(於:林野会館)だった。2名の講演者は、栗原淑江(ノーモア・ヒバクシャ記憶遺産を継承する会事務局)「被爆者たちの運動と日本国憲法」と永田浩三(社会学者・ジャーナリスト)「今こそ平和を求めて・俳句は原爆と戦争をどう描いてきたか」。主要な著書には、以前に、本ブログでも紹介した『原爆と俳句』(大月書店)『ベン・シャーンを追いかけて』(同前)など。また、映画『闇に消されてなるものか・写真家 樋口健二』などがある。


 ともあれ、講演のレジメに沿ってのテーマと挙げられた句のいくつかを以下に挙げておこう。


1世界各地で今も戦争と虐殺が続く

  爆煙の中に 夕陽の沈みゆく      リタ・オデ(パレスチナの俳人)

  地下壕に 紙飛行機や 子らの春    ウジスラバ(ウクライナの俳人)

・戦争を詠む

  弟を還せ天皇を月に呪ふ        長谷川素逝(未公開作)  

・京都大学滝川事件(1933年)、京大俳句が誕生

  戦火遠し いのち死なんとして静謐   橋本雅子

  紀元節学生の列 我行かず      樋口恵美子

  戦死せり 三十二枚の歯をそろえ    藤木清子

  特高が擾(みだ)す幸福な母子の朝   中村三山

・1940年「京大俳句」が治安維持法違反 特高が牙をむく

  戦闘機 ばらのある野に逆立ちぬ    仁智栄坊

             (ロシア語で「ニチェボー」問題ない)

・敗戦 8月15日の俳句

  てんと虫一兵われの死なざりし     安住あつし

  玉音を理解せし者前に出よ        渡邊白泉 

・原爆投下 敗戦直後から検閲 それでも表現者はいた

  日の暑さ死臭に満てる百日紅       原 民喜

  とんぼう、子を焼く木をひろうてくる  松尾あつゆき 

  かの日 神 追い詰められし 黒の雨   野田 誠

  蝉鳴くな正信ちゃんを思い出す      行徳功子(10歳の遺作)

  広島や卵食ふ時口ひらく         西東三鬼

  広島や死の影見よとマッチ擦る     仁科海之介

  耳鳴りのふいに軍歌となる炎天     伊達みえ子

・さまざまな原爆川柳

  黒焦げの母の下なる死児無傷      青木微酔

  原爆と知らずパラシュートへ見とれ   今田利春

・第五福竜丸船員証(久保山忌俳句大会) 

  柘榴たわわ 漁夫又七の憤怒込め    永田浩三

  あやまちはくりかへします秋の暮    三橋敏雄 

・ 俳句は原爆と対峙し、宇宙と対峙する/名もなき糸をつむぎ、ひとつの織物ができるよう。

・毎年一回 原爆投下の日に句を作る/17音で、人類の悲劇に向き合う

 体験を引き継ぐ。イメージを共有するす/専門の俳人、被爆者、経験していない多くのひとたち/俳句を通じてひとびとがつながる。希望がそこにある。

  


        撮影・鈴木純一「神さまはみんな見てはる瀬戸の春」↑

              414  三波 春夫  没(19232001

コメント

このブログの人気の投稿

高篤三「Voa Voaと冬暖のメトロ出る河童」(『新興俳人 高篤三資料集』より)・・ 

田中裕明「雪舟は多く残らず秋蛍」(『田中裕明の百句』より)・・

渡辺信子「ランウェイのごとく歩けば春の土手」(第47回・切手×郵便切手「ことごと句会」)・・