前田霧人「歳時記は季題の墓場秋の暮」(「無限」第7号)・・
「無限」第7号(無限俳句会)、米岡隆文「黙思録(其の七)/アフォリズム風に(令和七年五月~令和八年一月)」の中に、
(前略)◎生命の進化には非生命と言われているウイルスが 関わっている。
象の鼻が長いのもキリンの首が長のも、ウイルスがそれぞれの遺伝子へ潜り込んだ結果かもしれない。種としての象やキリンが自らの意志でそうなったとしたら大変なことである。意志決定論か環境決定論かと論争する必要はない。象の先祖の遺伝子に色々なウイルスがついた。(中略)この度の新型コロナウイルスは発熱等呼吸についた。一番の変異は脳へのものでろう。変異発祥の地である中華人民共和国も、大量にワクチンを作ったアメリカ合衆国も、違うワクチンのロシアも、その後、脳の前頭葉に変化が起こり国民人民が好戦的になった。ロシアのプーチンはその最たるものである。共産主義国の中国の習近平しかり、民主主義国アメリカのトランプまでもが独裁者となり果てた。コロナ禍は頭脳を犯したのである。(中略)他の領土を自国化するという意味で、コロナ禍以降、世界は第三次世界大戦の前哨戦に入っている。
〈結論〉生物の進化はひとえにウイルスによる気まぐれである。その気まぐれによって人類は右往左往している。
とあった。 また、前田霧人「新季題通信/季語の墓場」には、
(前略)例外はあるが、一般に新季題の例句は新季題の歳時記初出に先行する。また、新季題を育て定着させるのは佳い例句である。拙文が右掲のような歳時記により違いのある季題や、どの歳時記にも記載のない純然たる新季題の句作に挑戦する何かのきっかけになれば幸いである。
(二)青春(春)
「青春」は中国の五行説(色)で青は春に当たることに由来する季題で、『太平御覧』に「梁元帝簒要日、春亦日発生、芳春、青春、陽春、九春」とある。(中略)
「青春」は「青陽」、「青帝」、「東君」、「発生」、「献節」などのようなナイナーな「春」の傍題ではない。「夢や希望に満ち活力のみなぎる若い時代を人生の春にたとえたもの」(『デジタル大辞泉』)として現代的な魅力溢れる言葉でもある。大歳時記のみならず中小の歳時記にも記載して大いに詠んでもらいたいものである。
青春の仏のかほと見まゐらす 竹下しづの女
青春や酒量ふえても背に翼 江里昭彦
青春や星を突く銛さがすごと 大木あまり (以下略)
とあった。他にエッセイで新井博子「カラヴァッジョ巡礼」、穐山常男「AIが作成した川柳は誰のものーAI活用で若年層確保」、上野乃武彌「胸底に棲まうものとの対話ー沈殿していく記憶ー」、評論に綿原芳美「日本軍と中国軍に殺し合いを行わせる」など。
ともあれ、以下に、本誌よりいくつかの句を挙げておこう。
少年のくちびる歪む春の闇 新井博子
ポッケで落としどころ探ってる 穐山常男
サクラエビチーズイカナゴフラメンコ 稲垣濤吾
よちよちの子よよたよたの老さくら草 上野乃武彌
底意地の悪きをんなとあをき踏む 花城功子
漆黒の断層があり天の川 湾 夕彦
空爆の大橋炎上冬落暉 綿原芳美
咳をしても痛い 前田霧人
撮影・中西ひろ美「春惜しむ我らに来世への切符」↑

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