田辺花「待ち伏せの鬼子母神前春の雪」(『ワイングラス』)・・
田辺花第一句集『ワイングラス』(鷗座俳句会)、序は松田ひろむ「序に代えて」。その中に、
(前略)彼女の句の特徴は、基本的に向日性があることいっていいだろう。
例えば老病死のような、現実であってもマイナスの面には目が向かないで、明るい側面を掬い取る力量はなかなかのものである。
とあり、また、著者「あとがき」には、
ひろむ先生から「句集を出しなさい」「はいお願いします」の即答でした。
「立つより返事」と習った父や母も亡くなり、子どもらも巣立ち、今は犬と猫との同居。返事はしたもののどれから手を付けていいのやら、引っ越しはすでに終え、」言い訳は効かない。
すでにひろむ先生の行動は素早く、てきぱきと指示を出して下さる。
題名も名付け親は先生でした。太穂先生の息子さん(木屋太二氏)が将棋観戦記者で女流棋士観戦に当たって着物柄を表すのに私の句を偶然選ばれたのが題名の「ワイングラス」でした。ご縁は大切に、が私のモットーですからなんともうれしい句集の題名になりました。
とあった。集名に因む句は、
蝋梅やワイングラスの触れては「ソ」 花
である。ともあれ、いかに本集より、愚生好みに偏するが、くつかの句を挙げておこう。
蟬穴の深きところや日本海
朝顔の青は正しくたたまれる
身じろがず退かず木枯一号
げんまんの針千本や犬ふぐり
内灘や太穂先生辣韭食む
「東京水」口にころがす施餓鬼かな
西瓜切るスラムダンクをもう一度
母語母体恋猫は眠れない
寒北斗さくらトラムの鐘二つ
石蕗の花キリンの首はやわらかい
きらきらのネームの迷子盆踊り
青梅の青より青く雨あがる
血管のふくらみに触れ水の冷え
十月の天使の梯子登ろうか
淀みなく散りぬるをわか金木犀
湯豆腐の崩れを掬う胸騒ぎ
三界に家無きなんて灸花
田辺花(たなべ・はな) 1949年、東京生まれ。
★閑話休題・・大震災以後十五年の今、「東日本大震災句集 わたしの一句」募集!
募集案内を、以下に抜粋しておきたい。
宮城県俳句協会では、東日本大震災の犠牲者を祈り、明日への一歩を刻む礎として、『東日本大震災句集 わたしの一句)をこれまで三度刊行することができました。
今年三月で東日本大震災より十五年が経ちます。
この節目にあたり、俳句の力で大震災を風化させることなく、さらに未来へ伝えていきたく四冊目を刊行します。つきましては、左記により、震災直後から十五年迎えた現在までを詠んだ俳句を広く募集いたします。被災の有無や居住地、年齢を問わず、どなたでもふるって
応募くださいますようご案内申し上げます。
主催 宮城県俳句協会
●応募作品 震災後今日までの自作1~3句。既発表作品可。応募者はもれなく一句掲載。
●応募方法 A4または原稿用紙または便箋など一枚の用紙に、
⓵俳句3句以内(できるだけ近作)
②居住地—-市町村名(政令都市は市区名)
③氏名または姓・俳号(ふりがな)、現在の年齢
④郵便番号、住所、電話番号
⑤句集の購入の有無の希望を必ず明記(一冊以上の場合は希望の冊数)
●応募料 無料。ただし、句集は一冊 1000円(送料共)で頒布。
(できるだけ協力ください)
頒布希望者は、現金または定額小為替で、句とともに同封してください。
●応募締切 令和8年5月10日(日)必着
●応募先 989-3216 仙台市青葉区高野原2-5-14 川名まこと 方
「東日本大震災句集」係 電話090-1496-5720
撮影・芽夢野うのき「春や鳥よ神のお告げを咥え来る」↑

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