篠木裕子「はるかなる時の重さよ貝化石」(第3回TAMA市民塾講座「現代俳句入門」)・・


 12月8日(月)は、第3回TAMA市民塾講座「現代俳句入門ー『俳句は過渡の詩』」(於:多摩交流センター)だった。今回の、宿題は、無季の句を2句作って来る。と、俳人の紹介は高屋窓秋。以下に一人一句を挙げておこう。 


  面差しの父でありたる釈迦如来       吉田久美

  ほほ緩む窓から富士の見えし朝       中西雅子

  万葉をなぞり書く夜や一教師        富山 勉

  廃屋を赤に染めゆく蔦の勢         上阪則子

  タッチアンドゴー爆音轟く住宅地      篠木裕子

  指と口俳句かじりて五七五と        梶木純子

  讃美歌のもれ来る窓や星光る        渡辺一枝

  ガザの宝テントの廊下かけまわり     大泉由美子

  無言坂登りたくなる夜空かな       小田嶋英子

  万物の光に包まれここに居り       二郷寿摩子

  父母眠るはるかなる島雲流る       佐藤三千男

  太平洋はさんで孫とV(ビデオ)通話     花見育子

  ひこうきや馳せる想いは異国の地      田中典子

  かまぼこの古き歴史や体験会        森 和子

  希望あり曇天に伸ぶ九輪塔         石原美代

  流星群おもわず我も声を上ぐ        宮石 修

  臥せし君唇噛みて朝陽燃ゆ         中田京子

  集まりて無事を祝いし誕生日        村上佳枝

  ミステリーピースはまって心地良く     太田直子

  いつもそうごちゃまぜの無限や永遠    早川ひろ美      

  ゲルニカやこだます天のさびしさよ     大井恒行 


次回は、来年1月12日(月)、兼題は「正月」、「木」で、それぞれ2句持ち寄り。 

皆さん、良いお年をお迎えください。



      撮影・中西ひろ美「裏と裏見せあって楽十二月」↑


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