筑紫磐井「前頭葉にさwさわ湧いて明易」(「豈」68号)・・


 第4次 「ー俳句空間ー 豈」(豈の会/発売・日本プリメックス株式会社)、第10回攝津幸彦記念賞の発表、特集は「ユネスコ登録戦略の最前線」。巻末には、文化丁・文化芸術推進基本計画(第3期)に向けてパブリックコメント(国民の意見の募集が令和9年に行われる「◆俳句ユネスコ無形文化遺産登録への意見表明◆」の案内が掲載されている。


 特集の執筆陣は、筑紫磐井「真面目な顔をした俳句ユネスコ登録論―-我々はユネスコ登録にどう立ち向かうべきか」、堺谷真人「処土横議のすゝめ―ーユネスコ問題から俳句批判へ」、大井恒行「改めて問う、その中身と現代俳句協会のなすべき当面のこと。」、トマス・マーティン「ドイツから見たユネスコ登録問題」、中島進「『アート』としての俳句はどこへ向かうのだろうか」、干場達矢「価値について」。

 ともあれ、以下に、第10回攝津幸彦記念賞(正賞該当作なし)と近年、「豈の会」入会された方を主に、いくつかの句を挙げておこう。


  枯木から枯木へ渡す万国旗           朽木れん(准賞)

  さへづりや窓が四角にしてとほし        斎藤秀雄(佳作)

  息する。卵の殻に詰まって翳る        超文学宣言( 〃)

  攝津幸彦ですひひひひひ旱のネコがにゃあ    雨霧あめ(〃 )

  冬銀河点描の犬壁面に            伊藤左知子

  夕焼くるこの手かえそうと思う         男波弘志

  初恋にして小走りは時雨かな          各務麗至

  肉桂の掻かれし蛤の遺憾            白石正人

  かこむ霧きえぬ霧               中島 進

  夜の情事昼のいとなみ燕子花          中嶋憲武

  菅笠にとんぼの止まるゆきがかり        渤海 游

  はつ恋のひとの白髪の涼しさよ         村山恭子

  とざいとうざぁい。なつはぎきちこう白おうぎ   凌

  ノーベル賞より蛇笏賞生身魂          宮村明希


           第11回攝津幸彦記念賞(評論奨励賞)↑
           ・締め切り 2026年6月末
           ・原稿 400字詰め30枚以内
           ・発表 2026年秋 「豈」69号

 ★次回第11回攝津幸彦記念賞は、作品募集はありません(第一回と同じく評論です)。「評論奨励賞」として、評論のみの募集となります。


  撮影・芽夢野うのき「桜紅葉のあたたかく燃えたるよその日」↑

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