杉本青三郎「六林男忌の傷口喋らないよう塞ぐ」(第75回「ことごと句会」)・・


  12月21日(日)は、第75回「ことごと句会」(於:新宿ルノアール「ビックスビル店」)だった。兼題は「正」。以下に一人一句を挙げておこう。


  短日の修正液の使い過ぎ       杉本青三郎

  閉じられるページの闇や 暮JAPAN   武藤 幹

  笹鳴や目薬さしてゐる途中      春風亭昇吉

  美しき解とは と角を曲れば月に会う  渡辺信子

  不在といふ陽だまりいくつ冬極む    林ひとみ

  なんだ今ばったり会ったじゃんセロリ  宮澤順子

  トレモロの続く名残の冬紅葉      渡邉樹音

  指嘗めて寒風を聞く老漁師       石原友夫

  枯野行く反省の色ってどんな色     村上直樹

  猜疑心コートの襟に屯する       江良純雄

  さまざまに踏絵のごとく去年今年    杦森松一

  水涸れて冬のサボテン冬の棘      金田一剛

  啓蟄の朝の階段ちからあり       照井三余

  数式の正しくとける雪の朝       大井恒行

  

  次回は、一月はお休みで、2月21日(土)予定。


 ★閑話休題・・告知・「大井恒行の日日彼是・続」は、愚生、22日(月)から31日(水)まで10日間、入院・手術予定のため、お休みします。皆様、良いお年をお迎えください!!・・
  



             鈴木純一「 一つ神
                        三つの民は

                        四分五裂   」↑

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