佐藤幸子「球場を飛び越すボール獺祭忌」(第189回「吾亦紅句会」)・・


  9月26日(金)は、第189回「吾亦紅句会」(於:立川女性総合センター アイム)だった。兼題は「夜長」。以下に一人一句を挙げておこう。


  キッチンカーに手話のカップル天高し     折原ミチ子

  ガザ廃墟六万五千の赤とんぼ          須崎武尚

  稲穂波村に芝居の幟立つ            松谷栄喜

  浮世絵や摺師技あり秋の夕           関根幸子

  秋愁ひ霊気の山に預けたる           田村明通

  葡萄蔓ラセンにからむ生きる意地        笠井節子

  長き夜を満たして明けるおわら節        齋木和俊

  「あと幾年(いくつ)」秋の夜長の独り言    吉村自然坊

  色どりにパプリカの赤買い足して       堀江ひで子

  夜が更けてひとり見る月母の顔        三枝美枝子

  小説のしおりの続き読む夜長          奥村和子

  北欧のミステリー読む夜長かな         渡邉弘子

  ホームズの頭かかえる夜長かな         佐藤幸子

  世阿弥本佐渡の山々長き夜           村上さら

  子の手術待つ間の二時間長き夜         武田道代

  彼岸花群れにはなれてひとつ咲く        西村文子

  長き夜の聞き耳頭巾かもしれぬ         大井恒行



        撮影・中西ひろ美「彼岸花その正しさに閉口す」↑

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