田村明通「煮凍りや潮の匂ひと夜の色」(第181回「吾亦紅句会」)・・
1月24日(金)は第181回「吾亦紅句会」(於:立川市高松学習館)だった。句会の後は新年会であった。兼題は「煮凝り」。以下に一人一句を挙げておこう。
祖父の杖夫が持ち行く初大師 佐藤幸子
煮凍りやカンラカラリとうるさき世 牟田英子
縫い始めまず手始めに干支の蛇 武田道代
天地人狂ひしままの初昔 松谷栄喜
感動の盗打随一去年今年 折原ミチ子
枯葉踏むタップリズムでアン・ドウ・ツゥア 笠井節子
春星忌雪の人家に灯り入る 齋木和俊
わだかまりほどけぬままに雪催 渡邉弘子
煮凝や白き目玉のしずみおり 奥村和子
日向ぼこ最後のひとりまで生きて 田村明通
女正月リハビリ中のバースデー 関根幸子
なずな打つ芹は欠かせぬ朝げかな 吉村自然坊
傘寿宴(さんじゅえん)煮凝り光る黄水晶 村上さら
仲たがいつづけば崩る薄氷 西村文子
煮凝は鰈の煮つけ寺の膳 三枝美枝子
日常の青さ短かし年惜しむ 佐々木賢二
日暮れると思えば暮れる寒椿 大井恒行
次回、2月28日(金)、兼題は「冴え返る」。
★閑話休題・・佐藤幸子「野生馬の波うつ腹や秋の海」(図書館俳句ポスト・立川高松図書館・入選・10月選句より)・・
撮影・中西ひろ美「コーヒーの落ちるはやさや冬木の芽」↑
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