大野泰雄「川鵜にも男の背ナと云ふがあり」(『大野泰雄 俳版画集』)・・
『大野泰雄 俳版画集』(夜窓社・限定200部)、装幀者は三宅政吉。句の並びは新年「和飾」からめぐり、夏「日向水」の題で終わっている。
尿出づるまでを去年とす今年とす 泰雄
生と死のすきま三寒四温かな
狐火や西の座敷といふ真闇
恋猫の仕上がりゆける夜の深さ
山眠るやうに死なせてやれるなら
やつててもやつてないよな釣堀屋
春の水魚(いほ)は歩かぬ魚の道
春眠のところどころを猫が舐め
惜春のハシビロコウは雨の中
父の日の豆腐の角と言ふところ
水風呂の水のぬるさや原爆忌
ビキニ着てをり原子力発電所
五月雨や愛人として母を棄(う)つ
売れ残る絵と名月を持ち帰る
山彦を呼んで帰らぬ人の秋
道具屋の河童のミイラ秋湿り
みな死んで笑うて家族写真・夏
大野泰雄(おおの・やすお) 1950年、大阪生まれ。
★閑話休題・・第37回紙上句会作品募集(甲信地区現代俳句協会・会員に限る・2句無料)・・
・投句 雑詠2句(未発表のもの)
・本紙同封の投句用紙使用
・投句料 無料(会員に限る)
・締切 9月30日(月)中にご投函を。
・選者 秋尾敏・大井恒行・神野紗希・宮坂静生・小林貴子・佐藤文子・堤保徳
中村和代・仲寒蟬・島田洋子・久根美和子・青木澄江
・発表 12月発行の会報104号に掲載
・表彰 上記選者の特選句に特選賞進呈
・投句先 〒390-0807 松本市城東2-2-6 双葉印刷内 小林貴子
TEL 0263-32-2263
撮影・芽夢野うのき「秋の林に置いてきたるか鶴の羽」↑
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