赤崎冬生「波跡は風の自画像鰯雲」(第17回・現俳「金曜教室」)・・


  本日、10月20日(金)は、現俳・第17回「金曜教室」(於:現代俳句協会会議室)だった。雑詠2句持ち寄り。以下に1人一句を挙げておこう。


  不条理や烈火のごとき青空監獄         岩田残雪

  秋麗のバスしか曲がれない空へ         山﨑百花

  コスモスのふつと消したる巨船かな       籾山洋子

  鳥渡る昔ロシアが好きでした          村上直樹

  秋の川詩人は杭にしがみつく          川崎果連

  ラッシュかな鳶の地下足袋雲を踏む       石原友夫

  朝顔の蔓に身任せ一世かな           杦森松一

  殺戮の予感に怯む夜の長さ           白石正人

  秋刀魚食う腸(わた)の苦さが分かる齢(とし) 赤崎冬生

  現し世の岸辺に過去へ行く時間         石川夏山

  鵙猛る戦地の子等の血と涙           宮川 夏 

  残照に巨人の影となる案山子          武藤 幹

  いい匂いキンモクセイかな君のいる       柚木紀子

  ひと房の葡萄ゆくらかアララト山        林ひとみ

  みずうみの光は平ら空(から)泣く天      大井恒行


 次回、11月17日(金)は、前書付の俳句、2句持参。



   撮影・中西ひろ美「しゅんしゅんと湯の沸いている夜寒人」↑

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