杦森松一「トマト切り沈みゆく刃の軽さかな」(第49回「ことごと句会」)・・


  本日は、第49回「ことごと句会」(於:ルノアール新宿区役所横店2F)、兼題は「鏡」。一人一句を紹介しておこう。


  笑み返す嘘つき鏡手なづけて       江良純雄

  蜥蜴の子空に半身を反り返す       渡邉樹音

  新茶来る後期高齢祝(しゅく)とあり   武藤 幹

  暗がりに山車の灯高く白狐舞い      渡辺信子

  ナメクジの道なき道の道しるべ      杦森松一

  鏡のうら小さな暗黒星雲         金田一剛

  鏡台に映る紅色夏萌ゆる         照井三余

  人死んで投げ入れ堂の岩の春       大井恒行


次回、第50回は、6月17日(土)、於:ルノアール新宿区役所横店2F。



      撮影・中西ひろ美「うすうすと木の花は立夏の中に」↑

コメント

このブログの人気の投稿

田中裕明「雪舟は多く残らず秋蛍」(『田中裕明の百句』より)・・

山本掌(原著には、堀本吟とある)「右手に虚無左手に傷痕花ミモザ」(『俳句の興趣 写実を超えた世界へ』より)・・

秦夕美「また雪の闇へくり出す言葉かな」(第4次「豈」通巻67号より)・・