各務麗至「はるのかはいしくづれをりしづかなり」(「詭激じだいつうしん」19*栞版より)・・


  「詭激時代つうしん」19・20(詭激時代つうしん発刊開始資料として その7)*栞版(詭激時代社)、巻頭の詩篇、植岡康子「物語り抄」より、


  小宇宙

裏の山が

深呼吸でもするように

両手を広げて待っている


先祖の血二千四十六人分が合わさって

この身に注がれる


モウイイ  モウイイノダ

ここをドイナカと呼びすてる人もいるが

その声を背に追いやり見わたすと


ここは

小宇宙


コレデイイノダ

しばらく

時間を折りたたんで


 以下には、「詭激時代つうしn」19から、各務麗至の句を、いくつか挙げておこう。


  生きて夏まういいかいまういいよ       麗至 

  へいわてふゆうべんきべんあきのかぜ

  ウクライナもガザも生きてゐるのに深秋

  包丁や秋風一つで足る殺意

  十五夜や地球があつて恙なし

  ふゆのよはなみだまつすぐまつすぐに

    *ここにゐたのに何処へ

  セシウムも地球も人間春しだい

  春の雪あなたと此処にゐたやううな  

    *不思議とは人間 地球 宇宙……

  戦没の夏の不思議を生きてゐる

    *それでも一歩づつ

  人間でなく動物でなく金秋

    *此処に生きて

  ふゆのよのいのちてふをきたりけり

    *附 新春

  初日の出息はしづかに風になる

  戦没は今もありけり去年今年

  太陽風ならぬ地球風核の冬



★閑話休題・・石川えりこ絵本原画展「ボタ山であそんだころ」(於:国立・ギャラリービブリオ)~2月24日(火)11時~19時まで・・




  案内ハガキには、「炭坑の町で暮らす「わたし」と隣席のけいこちゃん。二人の日常はある日のサイレンとヘリコプターの音によって切り裂かれます…。石川わえりこの鮮烈なデビュー作品『ボタ山であそんだころ』(2014)の原画と描き下ろし絵画を展示します」とある。


  撮影・鈴木純一「ゆきこんこゆかばゆきあふゆきこの忌」↑

        悼・樋口由紀子 2026211日・享年73。

コメント

このブログの人気の投稿

田中裕明「雪舟は多く残らず秋蛍」(『田中裕明の百句』より)・・

高篤三「Voa Voaと冬暖のメトロ出る河童」(『新興俳人 高篤三資料集』より)・・ 

渡辺信子「ランウェイのごとく歩けば春の土手」(第47回・切手×郵便切手「ことごと句会」)・・