志賀康「鷹ひとつ全山鷹の雨となる」(「俳句界」2月号より)・・
「俳句界」2月号(文學の森)、特集は「50代俳人~新たなきづき」。その高山れおなの近作6句とミニエッセイ「俳句においての、50代になっての気づき」で、
綿飴は、溶融した砂糖を遠心力で飛ばし、空中で冷えて糸状になったところを割箸で巻き取るようにして作る。この割箸に相当する一単語(多くは名詞)の決定から私の句作りは始まる。その決定に際し、近年―-つまり五十代も半ば以降ーー頼りにしているのが「PictureThis」だ。道を歩いていて花や実をつけた植物に出会ったらとにかくこのアプリで撮影して名称を調べ、それを起点に句を作る。近作中の植物名に、比較的見慣れないものが目立つ所以である。
とあった。また、ブログタイトルにした志賀康の句「鷹ひとつ全山鷹の雨となる」 は「注目の句集」からのもの。論考に谷口愼也「『現象としての志賀康」、志賀康の一句鑑賞に「埴輪そは声を目深に立つものを」(森澤程)、「しじまより空飛ぶいのち兆すらん」(表健太郎)がある。ともあれ、本誌より、以下に、いくつかの句を挙げておきたい。
朴落葉累々父の如く伏し 高山れおな
束ねるに葱立たされて立ち通す 山田耕司
来し方や明教館の窓に月 櫛部天思
息止めてゐるか雨中の綿虫は 佐藤郁良
日の暮や風のミモザの波頭 津川絵理子
野に雲雀啼く和解せよ和解せよ 野崎海芋
熊の目は黒目のみ無善無悪 マブソン青眼
久女の忌戻り来し夜の髪の冷 和田華凛
知命のわれへ虚空から振るねこじやらし 関 悦史
団地から基地のあはひを木の葉の地 鴇田智哉
風花の吸ひこまれゆく不凍港 田中亜美
噴き上げて潮を火花とわが鯨 成田一子
生死即涅槃雪浮上せり 川越歌澄
初鏡いきものばかり映りこむ 瀬間陽子
白菜となまけて眠る寿命かな 田島健一
人知れず魚氷に上る野付牛 前田 弘
商ひのまことおつとり冬茜 ふけとしこ
兜太忌の歩幅広めに犬ふぐり 飯田冬眞
まだ死んではいないまだ生ききってもいない 久光良一
撮影・鈴木純一「いつぞやの貼らないカイロ街角に」↑

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