井上昭子「山寺や檀家総出の吊し柿」(第72回三鷹市市民文化祭俳句会「文化祭賞」)・・

 

 去る11月9日(日)、第72回三鷹市市民文化祭俳句会(於:三鷹市中央防災公園・元気創造プラザ)が開催され、その俳句会会報(発行人・根岸操)が届いた。選者は津久井紀代と愚生。以下に、いくつかの句を挙げておこう。


 【特選】  天高し君骨片となり地に帰すか     佐藤マリ

      ぶどう買ふ房の重さを掌にはかり    谷口一郎

      片づかぬ机上のメモや秋あつし     西條 訓

 【佳作】  ガザの子や繃帯の手で揚げる凧     横森茂樹

      かいぼりや楽しげな子等泥だらけ    杉浦洋子

      写経して心解かれる涼しさよ      金子圭一

      鶏頭の数のゆかしき子規の庭      深沢矩子

      海風を包んで閉じる白日傘      齋藤えり子

      先を行く母は逃げ水抜けてをり     山口明子


 その他、愚生の選んだ入選句は、


      立ち漕ぎの少年の息冬に入る      柴田幸子

      カタツムリあちらこちらにVサイン   黒沢園子

      囀りの杜に囲まれカフェテラス     大島寛治

      終戦日芋でつないだ我が命       大貫久和

      ぴかぴかのなすびお代は缶カンへ   齋藤えり子 


★閑話休題・・第20回池袋モンパルナス回遊美術館/江戸川乱歩オマージュ絵画展「幻影城」(於:東武百貨店池袋店6F一番地画廊)11月20日(木)~26日(水) 最終日は午後5時終了・・・


                有賀眞澄「うぇ態」↑

 展示作品は、赤錦「The Twin」、有賀眞澄「うぇ態」、井関周「マグダラのマリア」榎俊幸「黄金豹」、北見隆「幻の塔」、清田範男「バベルーGの手」、恋月姫「夢の渚」「夜に歌う」、清水真理「盲獣」、須川まきこ「Hope」、立石修志「幻想建築術」、田口淳子「幽麗塔~彼女の数奇な運命~」、鳥飼規世「Ghost」、樋上公実子「夕暮れの窓辺」、ひらいたかこ「蒼天の風」、牧野鈴子「迷宮のオフェリアーパンスラビリンスー」、真木環「歌姫と死神」、Ro”mell-ロメル「MASK」。



   撮影・中西ひろ美「日向ぼこ音もなく生きてゆいくもの」↑      

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