山崎しんぺい「仲のよき姉弟(きやうだい) いちご煮える家」(人丸つうしん」第12号)・・

 

 「人丸つうしん」第12号(人丸俳句会)、その表紙に、「人丸俳句会の信条[生の証]=人生の哀歓・日常の記録」とある。ともあれ、本号より、いくつかの句を挙げておこう。


  母親の抱く骨あらはガザの夏      山崎しんぺい

  老い夫の静かな湯あみ雷はげし      木原愛子

  劇場の客を放ちて涼しけれ        檜田陽子

  玉入れの玉と跳ねる子天高し       堀口美穂

  魚の絵の皿をはみ出す秋刀魚かな     蒲原義博

  幼稚園バケツの稲穂実りをり      金田美惠子

  夏の日の気怠い午後のガーシュイン    森本哲也

  墓地くれて顔に張りつく蜘蛛の糸     池端順子

  クーラー嫌い団扇随所に配置して     山田律樓

  魚捌く天地一喝の夏の雷         村上絹恵



      撮影・芽夢野うのき「垂直といふ家族の枝の姫林檎」↑ 

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