攝津幸彦「階段を濡らして昼が来てゐたり」(「俳句四季」11月号より)・・
「俳句四季」11月号(東京四季出版)、佐藤りえが「LEGEND私の源流/攝津幸彦2」を書いている。攝津幸彦伝としては、精緻によく調べられている。今回が連載2回目、次号で一応完結のようだ。その中に、
(前略)幸彦が参加した今回の舞台は青梅の有形文化財「河鹿園」であった。。三橋敏雄、藤田湘子、有馬朗人、大木あまり、小澤實、岸本尚毅に歌人の岡井隆、と強者揃いのメンツに混じり、幸彦は善戦を続けた。
荒星や毛布にくるむサキソフォン
格好良い幸彦句として人口に膾炙するこの句は、岡井が「かもしだすパ―スぺクティブがっちょうどいい」と評するなど、初日の最高点となった。句会録は『俳句という愉しみー句会の醍醐味ー』として平成七年に岩波書店から刊行され、版を重ねた。筆者が初めて攝津幸彦の人となりを知ったのもこの本による。同書のヒットは、職場で俳句の話を一切しない幸彦がは詩人であること露見する端緒ともなった。
とあった。本誌本号には他に、特集「俳句とインターネット」には、岡本星一郎「巨大」、森川 雅美「詩客」、西原天気「週刊俳句」、堀切克洋「セクト・ポクリット」、筑紫磐井「俳句新空間」、「AKANTHA」、「カルフル」、「ハニカム」、「メグルク」「RUBY」、「よんもじ」。共同管理人筑紫磐井は「俳句新空間」の文中に、
開設当時、二〇一〇年代の時代背景には「俳句など誰も読んではいない」という高山れおなの絶望的な名言があった。だから、評論を書くこと。このBLOGのURLha開設当初から「aegohaikuwoyomu[ (戦後俳句を読む」になっている。どこにでもある俳句創作BLOGではなくて、俳句をどう考えるかがテーマになっているのだ。新風を作るのではなく、新思潮を発見したいと思っている。
とあった。筑紫磐井は他に「俳壇観測・連載274/大学生俳人の意識ー第三世代の俳句に対する意識の変化も執筆しいる」。ともあれ、本誌より以下にいくつか句を挙げておこう。
冬立つや藻屑に残る風の荒れ 橋本榮治
連れ立ちて来て連れ立ちて踊りだす 名村早智子
淋しさのひとりにひとつ大花野 日下野由季
文机に筆乾ききる長き夜 朝妻 力
夜の翼に隠れてなさい露の子ら 長谷川櫂
梅の実の堕ちて地上を少し救う 土井探花
寒雷の鳴るたび長くなる廊下 柏柳明子
野外ロックフェスや杜撰な雲の峰 西川火尖
凍雲の厚くも漏るる光かな 池田瑠那
鈴木純一「神の留守オレがオレがと顔をだし」↑

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