笹木弘「徴兵が無くても曲がる唐辛子」(第61回府中市民芸術祭 俳句大会・府中市俳句連盟)・・

   
           主選者・鳥居真里子↑

  第61回府中市民芸術祭 俳句大会/府中市俳句連盟(於:府中市民活動センター・プラッツ)、主選者は鳥居真里子。






              笹木弘・府中市俳句連盟会長↑

 市内の部 第一位 徴兵が無くても曲がる唐辛子     笹木 弘

      第二位 まだ母に話すことあり茄子の馬    高野芳一

      第三位 立秋の風懐に溜めておく       相馬陽子

 市外の部 第一位 いつも履く靴が重たい残暑かな    松本秀紀

      第二位 芋虫を箸で摘まめばきゆつと鳴き  相馬マサ子

 総合    7位 馬こけてどっと歓声村芝居      田頭隆紀

       8位 梁に残る繭の匂ひや虫の闇     横山由紀子

       9位 木の実落つ示し合はせてゐるごとく  新保徳泰

      10位 つないだ手そっと離して曼殊沙華   井上芳子

  特別選者陣は、秋尾敏・大井恒行・岡本久一・佐々木いつき・清水和代・田中朋子・野木桃花・星野高士・前田弘・松川洋酔・松澤雅世・本杉康寿・山崎せつ子・吉田功・笹木弘・米山多賀子。第二位のきすげ句会の高野芳一「まだ母に話すことあり茄子の馬」の句は、愚生のほかに、田中朋子特選にも入っていた。ちなみに愚生の他の特選句を挙げておくと、


  花野かな亡者の垂らす白い帯      村木節子

  馬こけてどっと歓声村芝居       田頭隆紀


 他の選者の特選のなかにきすげ句会の方が何人かあった。それは、


  スマホ充電忘れし夜の螢かな      高野芳一(星野高士選)

  つないだ手そっと離して曼殊沙華    井上芳子(岡本久一・前田弘選)

  子を連れて野猿の遊ぶ良夜かな     井上治男(吉田功選)

  七本の竹二本伐る風の道        寺地千穂(笹木弘選)

  鏡花忌の一目会いたいひとがいる    杦森松一(笹木弘選)

  夏の娘の見せびらかしたるへそピアス  新宅秀則(米山千賀子選)


 ★当日句「席題」の「柿」と「冬支度」の愚生の5句選(内一句特選句)は、


  肉親や百夜(ももよ)を赫き柿吊げて  鳥居真里子(特選)

  うつし世の動くものみな冬支度       〃

  木守柿光沈めむいづこまで           中澤美佳

  拭きあげて空の青さよ冬支度        〃

  背伸びして棹を振りをり柿日和      井上治男


あろうことか、愚生の一句が鳥居真里子の特選に入った。次の句、


  国びとの顔よき子らよ柿の秋       大井恒行



お陰で、特選賞として色紙を贈られた(ラッキー!)。



     撮影・中西ひろ美「つかの間の秋夕焼を追い続け」↑

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