照井三余「われも枯木となりて浸す足」(第73回「ことごと句会」)・・

 


 10月18日(土)は第73回「ことごと句会」(於:ルノアール新宿区役所横店)だった。兼題は「宮」。以下に一人一句を挙げておこう。

  

  ののさまは山の峰よりころんと出      金田一剛

  どこを攻めに行くのだろう鰯雲       江良純雄

  迷宮のさらなる奥の秋時雨         杦森松一

  自転車のポツンと一機赤蜻蛉        石原友夫

  つまづける檸檬ひとつぶんの寝息      林ひとみ

  愛弟子のひとりやふたりきりぎりす     宮澤順子

  虫籠に棲みるると泣く君は誰        渡邉樹音

  鳴き納む蝉に笑みする野の羅漢       渡辺信子

  ご帰宅の猫のしっぽに露ひかる       武藤 幹

  菊日和 ドイツ製なるベビーカー     春風亭昇吉

  碁仇(ごかたき)のひょいと現る良夜かな  村上直樹

  しづかに汗もまだでる蝸牛         照井三余

  撫で回すトルソー無月やりすごす     杉本青三郎

  叫び叫ぶいのち尽きるな蓮は花       大井恒行  



           鈴木純一「暴君は自分の名前だけは書け」↑

コメント

このブログの人気の投稿

田中裕明「雪舟は多く残らず秋蛍」(『田中裕明の百句』より)・・

秦夕美「また雪の闇へくり出す言葉かな」(第4次「豈」通巻67号より)・・

渡辺信子「ランウェイのごとく歩けば春の土手」(第47回・切手×郵便切手「ことごと句会」)・・