千葉みずほ「花を持つすこし汚れて長靴は」(「なごや出版情報」第15号より)・・

  「なごや出版情報」第15号は、東海地区の11社でつくるフリーペーパー。その中に、俳人でもある武馬久仁裕が社主をつとめる黎明書房のページには、「私の出会った東海の秀句②」がある。それには、


(前略) 若き日のヒールの高さ巴里祭    井戸昌子

 「若き日の」と、たった五音で、華やかな若き日々への思いを馳せることからこの句は始まります。

 思いは高揚し、その高揚感は「ヒールの高さ」へと展開します。

 そして、この句の中の人の世界は、一変、甘く悲しく、切ない美しい巴里祭へと変わるのです。

 最後に置かれた郷愁を誘う「巴里祭」という言葉がなんとも言えません。


とあり、また、


「黎明俳壇への投句のお願いー全国・海外から投句多数!

投句はお一人二句まで。投句料無量、特選、秀逸、ユウーモア賞、佳作を弊社ホームページと、雑誌『新・黎明俳壇』で発表します。ハガキか、メールで黎明書房内黎明俳壇係あてに投句してください。*詳細は弊社ホームページをご覧ください。


 とあった。皆様もどうぞ!


★閑話休題・・ 山川桂子「いつか径(みち)とだえて暮るる花野かな」(第46回「きすげ句会」)・・


 10月16日(木)は、第46回「きすげ句会」(於:・府中市生涯学習センター)だった。兼題は「花野」。以下に一人一句を挙げておこう。


  大花野母の命日多色刷り          井谷泰彦

  幕間の秋思残して空き座敷         杦森松一

  矢狭間(やはざま)に湖風ひとすじ佐和の秋 高野芳一

  大花野ありしところに道の駅        山川桂子

  コスモスや花の缶詰め缶を開け       濱 筆治

  愚図る児を肩車して花野かな        新宅秀則

  待ち人よ踏絵のごとき銀杏の実       寺地千穂

  やわらかな赤子抱きしめ秋に入る     久保田和代

  朝風に心あづけて花野ゆく         中田統子

  立ち枯れしむくろ佇む花野かな       清水正之

  夕花野涙の積荷ほどかれて         大井恒行


  次回は、11月20日(木)は、国分寺駅そばの殿ヶ谷戸公園吟行。次次回、12月18日(木)の兼題は「鍋」。



        撮影・中西ひろ美「掴まえたつもりで秋の真ん中に」↑

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