大井恒行「赤い椿 大地の母音として咲けり」(「WEB現代俳句」9月号より)・・
「現代俳句」9月号、「WEB現代俳句」9月号(現代俳句協会)、特集は「第80回現代俳句協会賞 大井恒行」である。本日のブログは恥ずかしげもなく愚生の記事からである。
「現代俳句」本誌の方は、愚生の「『水月伝』自選30句」(相変わらず自選は下手だ・・)。「第80回現代俳句協会賞 選考経過」には顕彰部長の宮崎斗士。選考委員の選後評には、恩田侑布子「大豊作の熱闘」、清水伶「選考会の経緯」、永瀬十悟「透徹した文学精神」、林桂「選後評」、渡辺誠一郎「選後評」。
『水月伝』への批評については、もっぱら「WEB現代俳句」にて行われている。武良竜彦「深く重い歴史性を背負うことばを編み込む現代俳句」、一句鑑賞には、井口時男が「赤い椿 大地の母音として咲けり」、なつはづきが「団塊世代かつて握手の晩夏あり」、羽村美和子は「落葉『スベテアリエタコトナノカ』」、高橋修宏は「ありがたき花鳥(かちょう)の道や核の塵」を、それぞれ、丁寧に読んでいただいた。有難うございます。深謝!!武良竜彦の論は、長文で精緻、「WEB現代俳句 9月号」で検索していただくと読めるので、是非、直接当たって頂きたい。因みに、武良竜彦の論は「大井恒行の方法論」「『水月伝』の世界」と展開されている。
ともあれ、本誌本号から、いくつかの句を挙げておきたい。
麦飯は日暮れの匂い私雨 塩野谷仁
秋あかね特攻機影征ったまま 鈴木正治
天網恢々疎にして漏れて夏雲雀 鈴木牛後
秋暁を同じ石仏またここにも 杉浦圭祐
一機一弾にして万死の晩夏 我妻民雄
麦秋の故郷よ翼のあれば翔ぶ 前川弘明
黒人街狂女が曳きずる半死の亀 野ざらし延男
近く来て寄らず過ぎけり花卯木 星野早苗
キバナコスモス地球まるまる頭痛です なつはづき
雪花菜(きらず)なれいささか花を葬(おく)りつつ 大井恒行
憂国われら杜甫に似て杜甫とならず 董 振華
先生の庭のまむしはもう出たか 武藤紀子
ベビーカー(=推進力)を買って夏 玉眞千歳
friendのendの部分けふちくたう 押見げばげば
★閑話休題・・令和7年度・立川市シルバー大学俳句講座・第1回・・
9月3日(水)は、愚生としては、2期目に入る立川市シルバー大学俳句講座(於:立川市曙福祉会館)だった。また、新しい方々を相手にするのだが、昨年は18名、そのうち数人は俳句作りを経験していた方がおられた。今年は12名、すべて初めての人ばかりだった。ただし、昨年もそうだが、今年も男性は一人で、ちょっとサビシイ。年齢は、今年は60歳~87歳の方々、愚生は喜寿だから、ちょうどよいか?
第一回の本日は、「俳句って何?」の講義と、自己紹介俳句を一句作っていただいた。
次回は、10月1日(水)、兼題は」「紅葉」と「草の花」で一句ずつ持ちより。
撮影・芽夢野うのき「向き合えば向うの山から来る白雨」↑
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