山本敏倖「沸点の蔦紅葉から舌が出る」(第170回「豈東京句会」)・・

 

 9月27日(土)は、二ヶ月に一度の開催、第170回「豈東京句会」(於:ありすいきいきプラザ)だった。以下に、一人一句を挙げtげおこう。


  穴惑い己がまごつく一行詩         小湊こぎく

  破れ傘第六感を研ぎに出す         羽村美和子

  積み上げたものががらくた良夜なり     杉本青三郎

  ぎんなんを馬具武具・バグブグ いそぐ影    凌

  (りち)の調べ潮騒ひとつ絃を張る     早瀬恵子

  おんぼろの船は満員流れ星          川崎果連

  孤独の隣コツンと木の実落つ         山本敏倖

  嬉しがる草の始めの薫りの童(こ)たち    大井恒行


 今年も早くも11月29日(土)は、恒例の「豈」忘年句会となる。場所は、初めてのところで、JR十条駅近くの「ミュージカンテ周(あまね)」で、2句持ち寄り句会+懇親会となる。追って詳細の通知を差し上げる。



★閑話休題・・山内将史「人類絶えて音楽噴水鳴り止まず」(「山猫便り/2025年9月22日)・・


 「山猫便り」は山内将史の個人葉書通信。それには、


   蚯蚓鳴く地下にアリスは絶好調   松葉久美子『雨より遠い燕たち』

 不思議な高揚感のある句集を一気に読んだ。気恥ずかしいkれど「生を燃焼させている」という意味で、冒険も失敗も日常も絶好調だ。

   冥婚の雨はオルガン地より     九堂夜想『アラベスク』

 精子の通り雨を降らせ死後の妻を濡らしに来る。古い怪奇映画の伴奏音楽が聞こえる。オルガンには男根という意味もあるらしい。


 とあった。


    撮影・芽夢野うのき「藤の実の本気度たれてきて辛い」↑

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