坂本登「朝遇ひし人にまた逢ふ泉かな」(「OPUS」第83(終刊)号より)・・


 「OPUS」第83(終刊)号(OPUS俳句会)、その「編集後記」に、


 ▽平成一四(二〇〇二)年一〇月に和田耕三郎が代表となって創刊した俳句同人誌『OPUS』は、同人の皆様には既に文書で案内したとおり、令和七年八月一五日発行の今号(八三号)をもって終刊とします。

▽『OPUS』終刊にあたり代表と奥様より次のようなメールをいただきました。

「皆様には大変お世話になりました。感謝しかありません。これからも俳句を楽しんでください。有難うございました」(代表) (中略)

▽「OPUS」俳句会は、和田代表の方針で俳誌は作品と短評のみというシンプルな内容に徹し、句会を第一義として活動してきました。このため、終刊後も句会については、対面、通信、WEBともに参加者がいる限り継続し、俳句を「楽しみ」たいと思います。


 とあった。ともあれ、本号より、以下にいくつかの句を挙げておきたい。


  田の見えて田植見えざるまひるかな       亀割 潔

  節子忌の朝の櫻のあをざめて       たかはしさよこ

  清流に顔をぶつけて平泳ぎ           宮崎静枝

  初夏の森の色なる水たまり           村木高子

  無言劇に声だし笑ふ花の昼          上野みのり

  半夏の夜ひざに親し一誌閉づ          北岡ゆみ

  ふところに鹿を棲まはせ山笑ふ         篠塚雅世

  荢環の花コットンのやうな風         和田ゑみこ

  万緑や古刹へ上る九十九折           池部月女 

  父の日をぼんやり父の籐椅子に        斉藤かずこ

  猫に傘さしかくる子や花槐           坂本 登


 


      撮影・鈴木純一「夕化粧かなはぬことを口にして」↑

コメント

このブログの人気の投稿

田中裕明「雪舟は多く残らず秋蛍」(『田中裕明の百句』より)・・

秦夕美「また雪の闇へくり出す言葉かな」(第4次「豈」通巻67号より)・・

山本掌(原著には、堀本吟とある)「右手に虚無左手に傷痕花ミモザ」(『俳句の興趣 写実を超えた世界へ』より)・・