武馬久仁裕「ありもしない花束となる薔薇を切る」(「黎明俳壇」第14号より)・・


 「黎明俳壇」第14号(黎明書房)、特集は「明治・大正・昭和の女性俳人VS男性俳人」。気鋭の俳人10人が鑑賞!とあり、その執筆陣は、塩見恵介、小枝恵美子、若林哲哉、田中信克、大西美優、横山香代子、なつはづき、村山恭子、千葉みずほ、川崎果連。特集について、武馬久仁裕は、


 本特集では、まず明治・大正・昭和の時代に活躍した女性俳人の中から10人を選びました。それから、彼女たちの句に、同時代に活躍した男性俳人10人の句を合わせて行きました。それを、現在活躍中の気鋭の俳人10人に観賞していただきました。

 2つの句をペアにして、鑑賞しますと、それぞれの句が鑑賞者の中で互いに照らし合い、響き合い始めるのです。1句鑑賞とはまた一味違った世界をお楽しみください。


 とあった。他の連載記事もなかなか読ませる。滝澤和枝「秘境で俳句④」、川島由紀子「近江の言葉たち④」、松永みよこ「俳句の中の人たち⑬」、太田風子「ニューヨークから俳句⑭」等々。


ともあれ、本誌の中より、いくつかの句を挙げておこう。


  くちびるの気ままを許す赤林檎         鎌倉佐弓

  サファリパーク子象とびだす草いきれ      滝澤和枝

  夏盛んブギウギを弾くピアノの手        太田風子 

  なんもかんも思い出ばかり秋彼岸        朝倉晴美

  姓変へるだけだと思ふ白雨かな     弥生弐庫(黎明俳壇・特選)

  この街の出会いは春の麩のかるさ   夏風かをる(  〃    )  

  別れぬと粘る葉っぱと桜餅       遠藤玲奈( 〃・ユーモア賞)  

  蟻さんは出会いであいでゴッツンコ   滝澤政司(   〃    )


★閑話休題・・永瀬(ななせ)ゆらダンスショーwith横山知輝&末森英機atお座敷シアター「まちぶせしあう輩たち」(於:国立ギャラリービブリオ)・・


 8月16日(土)は、国立のギャリービブリオで行われた異色の吟遊詩人末森英機(Vo&GT)と楽師は気鋭のベーシスト・横山知輝と人気ストリッパー・永瀬ゆらのお座敷ダンスパフォーマンス「まちぶせしあう輩たち」に出掛けた。



        撮影・中西ひろ美「争わず静かに全うするが夏」↑

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