杉本青三郎「滝音のはばたきやすい月あかり」(第71回「ことごと句会」)・・


  7月19日(土)は、第71回「ことごと句会」(於:ルノアール新宿区役所横店)だった。以下に一人一句を挙げておこう。兼題は「転」。


  見つからぬラップの切れ目初鰹       石原友夫

  滴りになるにしくなくふくれゆく     杉本青三郎

  問診表「転びやすい」に〇はせず      渡辺信子

  蛇口から答弁らしき夏の水         江良純雄

  父の日や懐中時計の蓋開く         武藤 幹

  沈黙の猫の丸みにして端居        春風亭昇吉

  ひまわりは怒りの顔をしていない      村上直樹

  真夏日へ転がりおちてゆく指紋       林ひとみ

  水切りのいちにっさんしごろくしち     金田一剛

  老いてなお突っ走るひと雲の峰       杦森松一

  揺らぐ世の振り向きざまに遠花火      渡邉樹音

  躓くも転んでもこの夏が好き        照井三余

  転轍機鉄路人無き夏の昼          大井恒行

  


★閑話休題・・森澤程「隧道の無明角出す角出す蛞蝓」(「~ちょっと立ちどまって~」)・・


「~ちょっと立ちどまって~」は、森澤程、津髙里永子の月に一度の「ハガキつうしん」。


  冷房をとめる未来へ眠るため      津髙里永子



      撮影・芽夢野うのき「魂飛ばす木槿の風にのせとばす」↑

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