高野芳一「タクトなき協奏曲や蝉時雨」(第43回「きすげ句会」)・・

 


 7月17日(木)は、第43回「きすげ句会」(於:府中市中央文化センター)だった。句会終了後は府中駅そばの福泰飯店に場所を移して、愚生の『水月伝』の第80回現代俳句協会賞受賞祝賀会を開いてくれた(ありがとう!!)。



 ともあれ、以下に一人一句を以下に挙げておこう。


  風死してはびこる草の息荒し         中田統子

  歳月を抱き泰山木の伐られたる        山川桂子

  酔ひ覚めの花火果つるや月ひとつ       新宅秀則

  南無 阿弥陀仏日傘の中の炎暑かな      高野芳一

  空蝉や背を裂き生命はい出づる        井上芳子

  鳴きつづく命の魔法八日目の蝉       久保田和代

  帽子にね蟬とまったよ山頭火         寺地千穂

  法螺貝の野山震はせ梅雨明けぬ        濱 筆治

  「沖縄へ!」ソーメンチャンプル糸となれ    井谷泰彦

  カナカナカナ去にしひとの名告げる蟬     清水正之

  夏草に光る宝石通り雨           大庭久美子

  蝉時雨玉音の声テレビなり          杦森松一        

  いささかに蹌踉(よろ)めく夏の自画像や   大井恒行


 次回は、8月28日(木)、於:府中市生涯学習センター。兼題は「昭和」。

 


        撮影・鈴木純一「選択肢ばかりが並ぶ光秀忌」↑

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