春風亭昇吉「リラの雨古き付箋を剥がしけり」(第69回「ことごと句会」)・・

  


 第69回「ことごと句会」(於:ルノアール新宿区役所横店)、兼題は「助」。句会の新メンバーに春風亭昇吉を迎えて、といっても、今回は欠席投句であったが、本句会初登場である。彼とは、コロナ前、TVプレバト出演以前には、村上直樹、石原友夫、武藤幹、愚生らとともに「遊句会」で研鑽を積んだ仲間である。ともあれ、以下に句を挙げておこう。


  たんぽぽのぽぽぽぽぽぽぽポピュリズム     村上直樹

  かまきりの助太刀できぬ定めかな        杦森松一

  水底のふるさと叩く若葉雨           林ひとみ

  補助輪を外す背中へ風薫る           江良純雄

  筍を食べて背骨の真っ直ぐに          武藤 幹

  米を研ぐ日常すこしずつ朧           渡邉樹音

  寝坊助の夢を許せよ青あらし         春風亭昇吉

  夏みかんだけは酸っぱくいておくれ       石原友夫

  はつなつの補助線もたれすぎている      杉本青三郎

  花崩す単3電池二本分歩く           金田一剛

  滅多に流さぬ五月の心痛            照井三余

  お役目で咲いて散るのも楽じゃない       渡辺信子

  若葉寒ガマンに我慢の一心太助         大井恒行


 その他、愚生が特選にした句、と面白いと思った句は、


 助詞めくるめくかざくるまの回文         林ひとみ

 雷神よプリーズ/プリーズ/ヘルプ/ガザ     村上直樹


 である。次回は、6月21日(土)の予定。



★閑話休題・・森澤程「吊革に青年眠る遅日かな」(「~ちょっと立ちどまって~2025・4」)・・


 「~ちょっと立ちどまって~2025・4」は、森澤程・津髙里永子の二人のはがき通信である。


  風呂敷を洗へば裂けて竹の秋        津髙里永子



       撮影・中西ひろ美「走り梅雨本格までの道のりは」↑

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